裏地の生地選び方まとめ(バッグ・ポーチ・帽子・服などの裏地おすすめの生地)
バッグや布小物や洋服の裏地に使う生地
アイテムごとに紹介します
バッグやポーチなどの持ち歩く布小物や帽子や服などの身に着ける物など、裏地(内布)を使うアイテムはたくさんありますよね。
裏地にはいろいろな役割があり、アイテムによって選ぶ裏地も変わってきます。
このページでは、裏地の役割や選び方、静電気のおきやすさ、アイテムごとにおすすめする裏地の紹介をします。ぜひ作りたいアイテムの裏地選びにお役立てください。
裏地の役割
裏地にはいくつかの役割があります。肌に触れる物かそうでないかによっても少し違いますが、基本的には以下にあげる役割があります。
【全てのアイテムに共通する裏地の役割】- 表生地を補強する
- 形が崩れるのを防ぐ
- 内側や下着が透けるのを防ぐ
- 裏側をすっきりきれいに見せる
- チラ見えのおしゃれ
- 保温性を高める
- 滑りを良くして着脱しやすくする
- 静電気の発生を防ぐ
- 肌触りや吸汗性を持たせる
基本的な裏地の選び方
バッグやポーチなどの持ち歩く布小物や帽子や服などの身に着ける物に共通する裏地選びのポイントがあります。まずは原則をおさえましょう。
裏地は薄めの生地を選ぶ
基本的に、裏地には薄地を選ぶのが原則です。
しかし、バッグなど強度が必要なアイテムの表地に強度がなかったり伸びやすい生地を使う場合、理想的な厚みになるように厚手の裏地を選ぶか、接着芯を貼って理想の厚みにします。
また、リバーシブルのアイテムを作る場合は、表地と裏地に同じ種類の生地を使うのもおすすめです。
肌に触れるアイテムの裏地は肌触りや吸汗性を持たせる
洋服や帽子、マスクなどの直接肌に触れるアイテムは肌触りや吸水性・通気性も大事です。特にベビーやキッズの肌に触れるものについては重要なポイントです。
洗濯のしやすさを考え、表地と裏地の素材を合わせたり洗濯縮率が近いものを選ぶと形がゆがみにくくなります。
表地のデザインとの組み合わせを考える
裏地が見えやすいアイテムを作る場合、表地との組み合わせがデザインのポイントになります。
同系色でまとめるのも良いですが、あえて無地の表地に対して反対色の柄布を合わせてみたりと、いろいろな組み合わせを考えてみて下さいね。
裏地によく使われる生地素材
一般的に裏地によく使われる生地をまとめました。クリックすると、それぞれの生地の特徴について詳しく説明したページを見ることができます。
天然繊維と化学繊維を混紡することで、両方の特徴を持たせた生地も多いです。
裏地によく使われる天然繊維素材
裏地によく使われる天然繊維には、植物繊維であるコットン(綿)、動物繊維であるシルク(絹)があります。
天然繊維素材の生地は保温性が良い上に吸水性・通気性にも優れていますが、しわになりやすい特徴があります。
肌触り〇/洗濯◎
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肌触り◎/洗濯△
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裏地によく使われる再生繊維素材
木材を再生して作った『再生繊維』は化学繊維の一種です。裏地によく使われる再生繊維素材にはキュプラやレーヨンがあります。
吸湿性・透湿性・通気性が良いなど天然素材と似た特徴を持っています。デリケートな素材ですが、柔らかくて滑らかな肌触りです。
肌触り◎/洗濯△
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肌触り◎/洗濯△
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裏地によく使われる合成繊維素材
石油を原料とした『合成繊維』は化学繊維の一種です。裏地によく使われる合成繊維にはポリエステルやナイロンがあります。
耐久性が高い上に軽くてしわになりにくいので扱いやすいのですが、吸湿性や通気性は良くありません。
また、再生繊維と合成繊維を合わせた『半合成繊維』のアセテートなどもあります。
肌触り△/洗濯◎
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肌触り〇/洗濯〇
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表地と裏地の組み合わせで静電気を防ぐ
生地には静電気のおきにくい・おきやすい素材がありますが、表地と裏地の組み合わせで軽減できたり、逆におきやすくなってしまうことがあります。
ここでは、静電気が発生する仕組みや、生地素材が持つ性質等について説明します。
素材の摩擦によって電子の移動が起こることによって静電気が生じ、静電気を帯びていることを『帯電』と言います。
帯電にはプラスの帯電とマイナスの帯電があり、素材ごとに帯電のしやすさを表したものを『帯電列』と言います。
帯電列で離れているほど大きな静電気を発生させます。
この表から、綿は静電気が起きにくく、また、絹とキュプラの組み合わせではあまり静電気は起きませんが、アクリルとナイロンの組み合わせだと静電気が起きやすいということがわかりますね。
洋服などの身に着けるアイテムを作る場合、帯電のことも考慮して表地と裏地の組み合わせを選ぶのも重要です。
織り物(布帛)の種類と特徴
どのアイテムにどの裏地を選ぶかを決めるのに、織り方が重要になることもあります。
織り物生地は布帛(ふはく)とも言い、織り方には「平織り」「綾織り」「しゅす織り」の三種類があります。
糸の種類や太さ、織り方、密度などによって生地の種類があります。
平織り
平織りは、たて糸とよこ糸が交互に織ってある生地です。どんなアイテムの裏地にも使いやすいですが、バッグやポーチなどの布小物によく使われます。
(平織りの長所)通気性が高くて軽く、摩擦に強くて丈夫。
(平織りの短所)密度が小さいため糸間の隙間が大きく、風合いが硬い。
綾織り
綾織りとは、たて糸何本かに対して1本のよこ糸を織ることを繰り返すことで斜線が浮かび上がる生地です。密度があって滑りが良いので、コートやジャケットなどのアウターの裏地によく使われます。
(綾織りの長所)密度があって風合いが柔らかく、伸縮性があってシワがよりにくい。
(綾織りの短所)平織りに比べて耐久性が低く摩擦に弱い。
しゅす織り
しゅす織りとは、たて糸とよこ糸が5本以上で織られている生地で、表面にたて糸かよこ糸どちらかのみがあらわれるようにした生地です。密度・光沢があって滑りが良いので、フォーマルなコートやジャケットなどのアウターの裏地によく使われます。
(しゅす織りの長所)密度があってとても柔らかく滑らかであり、光沢が強い。
(しゅす織りの短所)摩擦や引っかかりに弱い。
アイテムごとにおすすめの裏地(表地別)
バッグ・ポーチ・巾着の裏地によく使われる生地
トートバッグやポーチの表地には、丈夫でハリのある厚手〜中厚手の生地が向いており、合わせる裏地もある程度ハリのある生地がおすすめです。
巾着袋は中厚手~やや薄手の表地×やや薄手~薄手の裏地が向いています。
アイテムごとにおすすめの表地についての詳細は『バッグ作りにおすすめの生地』をご覧ください。
表地の厚み | 表地 | おすすめ裏地 |
厚手 |
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中厚手~普通 | |
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普通~薄手 |
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【厚手おすすめアイテム】
- トートバッグ
- ショルダーバッグ
- リュック
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【中厚手~普通おすすめアイテム】
- トートバッグ
- ショルダーバッグ
- ハンドバッグ
- ぺたんこバッグ
- マルシェバッグ
- 巾着
- ポーチ
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【薄手おすすめアイテム】
- ぺたんこバッグ
- マルシェバッグ
- 巾着
レッスンバッグの裏地については、『レッスンバッグ正しい裏地(内布)の選び方』で詳しく説明しています。
◎nunocoto fabricでは、いろいろなバッグの作り方レシピを紹介しています。
帽子の裏地によく使われる生地
帽子の表地には、丈夫でハリのある厚手〜中厚手の生地が向いており、合わせる裏地は吸水性・通気性のある生地がおすすめです。
着用季節 | 表地 | おすすめ裏地 |
通年用帽子 |
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春夏用帽子 |
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秋冬用帽子 |
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◎nunocoto fabricでは、いろいろな帽子の作り方レシピを紹介しています。
ベビー用アイテムの裏地によく使われる生地
スタイや寝具類などのベビー用アイテムは、表地・裏地ともに肌触りが良く、吸水性・通気性が高い綿素材の生地がおすすめです。
アイテムごとにおすすめの表地についての詳細は『赤ちゃん(ベビーグッズ)におすすめの生地』をご覧ください。
アイテム | 表地 | おすすめ裏地 |
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【通年・春夏】
【秋冬】 |
【通年・春夏】
【秋冬】 |
◎nunocoto fabricでは、いろいろなベビーアイテムの作り方レシピを紹介しています。
大人服の裏地によく使われる生地
大人服のに向いている裏地は作るアイテムや季節によって違いますが、肌触りが良く柔らかい生地が向いています。タフタが良く使われ、春夏用には吸湿性・透湿性・通気性がすぐれているキュプラなどの再生繊維素材、秋冬用にはポリエステルなどの合成繊維素材のものが多いです。
裏地の色の選び方ついて、基本的には表地の同系色を選びますが、表地が白かったり透ける生地の場合は肌の色に近い色を選ぶのがおすすめです。
アイテムごとにおすすめの表地についての詳細は『洋服(大人服)作りにおすすめの生地』をご覧ください。
アイテム | 表地 | おすすめ裏地 |
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【通年】
【春夏】 【秋冬】 【フォーマル】 |
【通年・春夏】
【秋冬】 |
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ローンやキュプラタフタなど、何にでも合わせやすい生地でペチコートを作っておくと重宝しますよ。
◎nunocoto fabricでは、いろいろな大人服の作り方レシピを紹介しています。
裏地によく使われる織物生地の厚さ別リストと特徴
薄手~やや薄手の生地
生地名称 | 素材 | 織り方 | 特徴 |
ローン | 薄手 綿素材が一般的だが、再生繊維素材もある |
平織物 | 軽やか、繊細な光沢感、透け感、適度なハリあり |
タフタ | 薄手 化学繊維素材が一般的だがシルクもある |
平織物 |
高密度、防水性あり |
タイプライター | やや薄手 綿素材が一般的 |
平織物 | 光沢、かなり高密度で硬く、しっかりハリあり |
ブロード | やや薄手 綿素材が一般的 |
平織物 | 適度な柔らかさ、光沢、高密度で強度・ハリあり |
サッカー・リップル | やや薄手 綿素材が一般的 |
平織物 | 凸凹した生地で肌に張り付きにくい |
シャンブレー | やや薄手 綿やリネン素材が一般的 |
平織物 | たて色糸・よこ白糸で織られ、汚れが目立ちにくい |
サテン | 薄手~普通 本来はシルクだが、他の天然繊維素材から化学繊維素材まである |
しゅす織り | 柔らか、強い光沢、つるつるとした肌触り。 |
普通~中厚手の生地
生地名称 | 素材 | 織り方 | 特徴 |
シーチング | 普通 綿素材が一般的 |
平織物 | 密度が粗目、安価、ざっくりとした風合い、通気性高い |
オックス | やや薄手〜中厚 手綿が一般的だが、化学繊維素材や混紡もある |
平織 | ざっくりとした風合い、適度なハリでどんなアイテムにも合わせやすい |
ダンガリー | やや薄手~中厚手 綿やリネンが一般的 |
平織物または綾織物 | タテ白糸・ヨコ色糸。軽くて丈夫、摩擦に強い、耐久性あり、汚れが目立ちにくい |
ツイル | やや薄手~中厚手 綿が一般的だが、他の天然繊維素材から化学繊維素材まである。 |
綾織り | 柔らか、光沢感、伸縮性あり、しわになりにくい。 |
ヘリンボーン | やや薄手~中厚手 ウールが一般的だが、他の天然繊維素材から化学繊維素材まである |
綾織り | 右上がりと左上がりを交互に組み合わせたV字型の模様が多い。柔らか、光沢感、伸縮性、耐久性あり、しわになりにくい。 |
ガーゼ | 普通〜中厚手 綿が一般的だが麻素材あり |
平織 | ダブルガーゼが多い。柔らかい、密度がとても粗く通気性・吸水性高い |
ネル・フランネル | 普通~中厚手本来はウールだが綿も多い | 平織物または綾織物 | 起毛加工、柔らか、保温性高い |
厚手の生地
生地名称 | 素材 | 織り方 | 特徴 |
キャンバス・帆布 | 厚手 綿や麻素材が一般的だがナイロンなどの化学繊維素材もある。 |
平織物 | 太い糸で高密度のため、丈夫で耐久性・しっかりとしたハリ |
パイル | 中厚手~厚手 綿が一般的 |
平織物または綾織物 | ループ糸が織り出してある。ふんわり柔らか、吸水性・保温性高い |
ワッフル | 中厚手~厚手 本来はウールだが綿も多い。 |
蜂巣織り | マス目状の凹凸がある織物。ふんわり柔らか、吸水性・保温性高い |
キルティング | 厚手 天然繊維・化学繊維素材あり |
平織物または綾織物 | 2枚の布の間にキルト芯を入れてステッチされた生地。軽い、丈夫、柔らか、保温性高い |
nunocotofabricで取り扱っている生地
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