キルティングってどんな生地?生地の特徴を解説

日本では子供の通園・レッスンバッグとして定番の「キルティング(キルト)」。キャラクターがプリントされた可愛らしいものから、ハワイアンキルティングといった芸術性の高いものまで、キルティングにはたくさんの種類があります。そこで今回は、幅広い世代から人気のキルティングについてご紹介します。
nunocoto fabricでは、下記2種類のキルティングの取り扱いがございます。
・キルティング生地(コットンリネン綿麻・生成り)
・薄手キルティング生地(コットン・ギザギザ模様)
キルティングとは?
キルティングの特徴
-特徴1:保温性に優れている
-特徴2:丈夫で長持ちする
-特徴3:軽い
-特徴4:幅広い用途性
-特徴5:初心者にも扱いやすい(ソーイング)
キルティング取り扱い上の注意
仕立てるのに向いているアイテム
キルティングのお手入れの仕方
キルティングとは?
キルティングは、エジプト・ロシア・中国などで防寒用、敷物として作られたのが始まりです。7世紀ごろサラセン(イスラム帝国)の騎士の鎧の内着として使われ、十字軍の遠征によってヨーロッパに伝わりました。その後、花柄を織り込んだ衣料品や室内装飾として人気が高まり、多くの人々に愛される生地となりました。
主に「保温」「装飾」の目的で使わるキルティングですが、発祥の地によって作り方もさまざまです。私たちがよく知る、2枚の布の間に綿(ワタ)や毛の芯を入れ、ステッチで押さえて作られるものは「ヨーロピアンキルティング」の一種です。他にも装飾品として人気の高い「パッチワークキルティング」、それが発展して作られた「ハワイアンキルティング」などが有名です。
キルティングの特徴
キルティングはもともと寒い地域で作られた生地なので、明確な特徴があります。ただ、装飾品としての人気が高まってからは多くの生地が登場し、さまざまな用途で使われるようになりました。今回はキルティングが持つ基本的な特徴とあわせて、ソーイングする時のメリットもご紹介します。
特徴1:保温性に優れている
キルティングの一番の特徴はやはり暖かいことです。もちろん保温性だけで見ると羽毛には劣りますが、キルティングは衣類以外にも使えるので、羽毛の生地にはないメリットをたくさん持っています。特にベース生地にコットンなどの天然繊維も使えることは、機能性とファッション性の両面で楽しむことができる理由のひとつです。
特徴2:丈夫で長持ちする
キルティングは2枚の生地をステッチで押さえて作るため、さまざまな角度から負荷がかかっても破れにくいのが特徴です。また中綿を入れて厚みを出すことでより耐久性が上がり、一枚の織り生地よりも断然へたりにくく長持ちしてくれます。
特徴3:軽い
通常、生地の強度を上げるためには厚くするか、表面に特殊な加工をするしかありません。そうするとどうしても硬さがでたり、重たくなってしまいます。その反面、キルティングは軽量な中綿で強度を上げているので、丈夫でありながらとても軽いのが特徴です。
特徴4:幅広い用途性
キルティングは保温性に優れていることから、ジャケット・コートなどのアウターとして人気が高い生地ですが、カーペットなどのインテリア用品、ミトン・鍋敷きなどのキッチン用品にも使われています。他にも芸術性の高いパッチワークキルティングなどは、壁飾りとして使っても家の中を華やかにしてくれます。
特徴5:初心者にも扱いやすい(ソーイング)
キルティングはもともと2枚の生地で作られているので、接着芯を貼ったり裏地をつける必要ありません。これだけでも作業がすごく楽になります。生地自体もそこまで分厚くないので家庭用ミシンでも縫いやすく、ソーイング初心者でも扱いやすいです。また生地自体にボリュームがあるので、ポーチなどのシンプルな小物でも可愛く見えるというのもおすすめポイントです。
キルティング取り扱い上の注意
基本的にキルティングは丈夫な生地なので、ラフに扱っても問題ありませんが、ベースの素材によって洗濯方法は変えなくてはいけません。たとえばコットンだと縮み、リネンだとシワや紫外線による日焼けなどには注意が必要です。次にソーイングの注意点ですが、裁断後の生地は端からステッチがほつれていきますので、余分にひっぱったりしないようにしましょう。また生地に厚みがある分、イメージしたサイズよりも小さく仕上がってしまう場合がありますので、購入する生地のサイズと裁断する長さには注意しましょう。あわせて洗濯による縮みが出る可能性のある生地は、縫製前に水通しすることをおすすめします。
仕立てるのに向いているアイテム
私たちにとって一番身近なキルティングといえば、ひし形状のステッチが入ったデザインだと思います。そしてこのひし形状のキルティングは、マス目が大きい「半針」と、マス目が小さい「全針」の2種類に分けられます。マス目が大きい半針は、押さえが少ないのでふんわり柔らかく、逆に全針はしっかりとした生地になっています。基本的には好みで選んで大丈夫ですが、小さいものを作る時は半針だとマス目が大きく縫いにくいので、全針のキルティングがおすすめです。
トートバッグ×オックスキルト
キルティングを使った定番アイテムといえば、やはりトートバッグです。特に子供用で作る方が多いと思いますので、ベースの生地は丈夫で扱いやすいオックス生地がおすすめです。全面をキルティング一枚で作るのも良いですが、ちょっと変わったデザインにするなら別生地の底布を付けて切り替えデザインにしても可愛いです。
ラグ×ヘリンボーンキルティング
適度に暖かくやわらかなキルティングは、ラグにぴったりの生地です。どうしてもキルティングは可愛らしい印象になってしまいがちですが、ヘリンボーンキルティングを使ったラグは見た目も上品で落ち着きがあるので、モダンインテリアとしておすすめしたいアイテムです。
コースター×リネンキルティング
お客様が来た時に使うコースターには、吸水性に優れていて見た目にも雰囲気のあるリネンキルティングがおすすめです。他にもポットマットやティッシュカバー、リモコン置きなどのテーブルインテリアを同じ生地で揃えても素敵です。
シーツ×シーチングキルティング
大人用としてはもちろん、ベビー用シーツにもキルティングは最適です。夏用・冬用でベース生地は変えても良いですが、一年中使うのであれば薄地で洗濯がしやすいシーチングキルティングがおすすめです。またシーチングキルティングは値段も安いので、サイズが大きいシーツも手軽に作れるのがポイントです。
キルティングのお手入れの仕方
天然素材を使ったキルティングであれば基本自宅で洗うことができますが、中綿が入っているため、自然乾燥には時間がかかります。雨の日や気温の低い冬場は特に乾きが遅いので、子供用バッグなど代わりが無い場合は注意しましょう。ただし、すでに縮みを出した生地であれば、乾燥機もアイロンがけもできますので安心してご使用ください。
一枚の生地では決して出せない、包まれるようなやわらかさとデザイン性がキルティングの大きな魅力です。ぜひ一度、キルティングを使った自分だけのお気に入りを作ってみてはいかがでしょうか。
nunocoto fabricでは、下記2種類のキルティングの取り扱いがございます。・キルティング生地(コットンリネン綿麻・生成り)

