布一枚からキルティング生地を自作しよう!【キルティング生地の作り方&布小物レシピ】
お気に入りの生地をそのままキルティング生地に! 自作のキルティング生地作り&おすすめ布小物レシピ紹介
ふわふわ感がたまらない、キルティング生地。
子どものナップサックやバッグによく見かけますよね。ふかふかしているだけで、どうしてあんなに可愛いんでしょう!バッグの中身を優しく守ってくれている気もするし、何といってもぽこぽこした見た目がキュート!
たとえばキルティング生地があったら何が作れるかな?
子どものバッグはもちろん、鍋敷きや鍋つかみ(ミトン)、ポーチなどの小物系、もう少し大きく使うなら防災頭巾なども。
キルティング生地で作れるものは意外と多いです。となるとあとは、キルティング生地を用意するだけ。
ただ、気に入った柄のキルティング生地って見つからないのよね…というお悩みがある方、それなら好きな生地で作りましょう!そう、キルティング生地って自分で作れるんです。
キルティング生地を自作しよう、作ってみよう!
キルティング生地って作れるの!? はい、作れます。ここでは少しコツがいりますよ。
結論から言うと、色々やってみた結果、「これがいい!これが最高。」と着地したキルティング作りのメソッド、それは・・・。
“厚紙で押さえる”
です!
ほんとにただの厚紙です。工作で使われるあの厚紙が、キルティング生地作りに大活躍してくれるんです。後ほどゆっくり解説していきますね!
キルティング自作のための必要材料
【布の用尺】適量(ここではいったん20cm×30cmぐらいとします。好きな分量でOK)
ウラ地用の布 | オモテ地と同量 |
キルト芯(アイロン接着なし) | オモテ地と同量 |
厚紙 | 2枚(A4サイズ程度) |
※分量は自由です。作りたいサイズでどうぞ。
自作キルティング生地の作り方(シンプルストライプ)
1.チャコペンで線をひく
等間隔で縫うためのガイド線を、あらかじめチャコペン(水で消えるタイプ)でひいていきます。基本のストライプ線のキルティング生地を作ります。
2.線に沿って縫う
3枚を重ねて縫いましょう。さあここで出ました!厚紙です。2枚の厚紙で、縫い線の両サイドを押さえましょう。ミシンの針が通るぐらい、2mmぐらいを開けて写真のように置きます。
このときステッチ幅は大きめがよいです。
手で押さえる、ではダメなのか?
キルト芯自体が空気を含んでふわふわしているので、手のひらで押さえると、どうしても平坦に力が入らず、綿が偏ったキルティングになってしまいます。
“平たくて軽いもの(重いとそれはそれでズレる)がベスト=厚紙” というわけです。
返し縫いはしない。
通常、縫いはじめと縫い終わりには、返し縫いをしていますが、キルティング生地作りのときには、返し縫いをしません。
縫う順番に注意。センターからスタートして、両サイドに広げていく。向きを互い違いに。
縫いながらずれていきやすいので、バランスを取りながら1本ずつステッチをかけていきます。まず初めにセンターを。それを中心として、両サイドの向きを互い違いにしながら縫うとずれにくいです。
ずれないように、両手を軽く添えながらゆっくり進みましょう。
ときどき厚紙をずらしてみながら、確認。もうキルティングになっていますね!
縫い幅は大きめで。3~4ぐらいがベストです。
3.シンプルストライプのキルティング生地が完成
やることはシンプルなので、縫い始めるとあっという間にキルティング生地が完成します! 布同士が引っ張られる分、ひと回り小さく仕上がります。(欲しい用尺の+5cmぐらいで作ります。大きな面積で使いたいときはもっと)
キルティング生地化、成功!ここから作れるアイテムは?
好きな生地をキルティング生地にできるって、なんて楽しいんでしょう!
実際、私たちも、楽し過ぎてキルト芯が無くなるまでやってしまいそうだったので途中でストップしました。(キルト芯も当店で販売中!)
しばらく遊んだあとは、いよいよ何かに使ってみましょう!いくつかキルティング生地を使った小物の作り方レシピをご紹介しますね♪
キルティング生地で作るミトン(鍋つかみ)の作り方
コンパクトサイズのミトン(鍋つかみ)を作ります。いくつあっても困らないので、さりげない手土産にもおすすめの小物です。
型紙は「ミトンとスクエアの鍋つかみキット」のものをベースに、あとはフリーハンドでなんとなく型を取りました。
ここでいう、下記の3パーツは、あらかじめキルティング化を終えたもの。
こうしておくだけで、面倒なミトン作りもぐんと楽になります。
外側本体Aと外側本体Bを中表に重ねて
縫いどまりまで両サイドを縫います。
縫いどまり、ってどこ? これは、外側本体Cを重ねたときにぴたっとくる位置なので、最初に、ぱかっと開いて乗せるシュミレーションをしてから縫いどまりの位置決めをすると良いですよ。
こんな風に。どこならぴたっと重なるかな?
ぴたっと重なるところ。それが縫いどまり位置です。
この状態で、ぐるりと縫います。ぬいしろは1cm。
表にひっくり返しておきます。
同じものを、内側布ABCでも作ったら、、、
こちらは表にひっくり返さないままで、ぱくぱくと手にはめて(笑)
ずぼ!っと外側本体に突入していきます。
隅々まできれいにはまったら、形を整えて、
縫います。
バイアステープがあると始末が楽ですね。
キルティング生地を使って作るミトンが完成です。
サボテンのようで可愛い!パクパク部分を左右対称にしたので作り方もとてもシンプルに。コンパクトで使いやすいミトンです。
今回の自作キルティング(ミトン作り)で使用した生地
ユニークなデフォルメで描かれた、お花柄の生地です。ワントーンで使い勝手も良し!(オックス素材で充分ですよ)キルティング生地で作るレッスンバッグの作り方
そして、とっても簡単に作れるキルティングのトートバッグ(通園バッグ・レッスンバッグ)です。
キルティング生地化さえできれば、要は1枚仕立てのバッグということになるので、非常にシンプルな作り方で済むのも嬉しいですよね。
幼稚園からの指定がキルティング生地指定の場合も、これなら大丈夫!
ここでは市販でもよく見かける、斜め線のキルティング生地を作るところからスタート。 作り方は、上記の基本のストライプと同じです。ステッチが全体的に斜めに交差することで丈夫さも加わるので、子どもの通園バッグに最適なキルティング生地とも言えますよ。
今回はバッグ本体のみ、斜め線でキルティング化した生地を使います。(※バッグの持ち手は別途、簡単にキルト芯を挟んで作る) キルティング化する布のサイズは、作りたい(仕上がり)サイズよりもひと回り大きめに設定してくださいね。あとからはみ出したりずれたりしたキルト芯を切りそろえるのでその方が安心です。
自作キルティング生地の作り方(斜め線)
1.中心を決める
上下と左右に半分で折ります。→そうすると、手元の布の中心が決まりますね。そこを中心にして、縫い広げていく感じです。 絶対に中心から始めなければならない、ということはありません。バランスがとりやすいのでそうしているだけです。
2.縫い線を引く
下図のように、45度の正バイアス斜め線を中心から等間隔で引いていきます。
ここでは4cm間隔にしました。作るもののサイズ感や好みに合わせて自由に決めましょう。
こちらも水で消えるタイプのチャコペンを使いました。こんな風に等間隔で線をひきます。
3.3枚を重ねて縫う
さあ、今オモテ地には縫い線がひかれている状態です。このままオモテ地・キルト芯・ウラ地の3枚を重ねます。
斜めに縫うということは、かなりずれていきやすいです。あらかじめまち針でずれないように固定しましょう。周囲だけでなく、中側にも適当にまち針を打っておきます。
はい、ここでも厚紙が登場です。 ずれません。
中央のバッテンが縫えたら… 下図を目安に、左右上下とどんどん広げていきましょう! ゆっくり&縫い幅は広め、で進めましょう。同じ方向から縫ってばかりだと片寄るので、できるだけ左右上下といろんな方向から縫います。
4.斜め線のキルティング生地が完成!
キルティング生地ができたときの「やったぞ・・。」という爽やかな達成感が何とも言えません(笑)
自家工場になった気分です。だってこのキルティング生地は、世の中に売られていない、正真正銘、自作のキルティング生地なのですから…!
はみだしたキルト芯を切り落としておきます。バッグ本体(にぬいしろを加えた)のサイズにきちんと裁断してしまうのも、ここのタイミングで。 歪みなく斜め線のキルティング生地ができあがったら、これを使ってマチの無いトートバッグを作りましょう。
持ち手は別布で作ります。好きな幅分×長さのキルト芯とオモテ地を用意して、キルト芯をくるむように縫って持ち手を仕上げます。
斜めキルティング地にしたバッグ本体の、サイドと底部分をぬいしろ1cmで縫い合わせます。
※周囲の布端は、先にロックミシンまたはジグザグミシンで処理しておくとよいですね!
袋口部分を2つ折りにして、センターにくるよう、2本の持ち手を縫い込んだら完成!
トートバッグ(通園バッグ・レッスンバッグ)が完成です。キルティング生地化ができればあとは1枚仕立てのバッグの作り方でOK。
今回の自作キルティング(ミトン作り)で使用した生地
こんなデザイン見たことない!な個性的な柄、ツールボックス柄の生地!(オックス素材)裏布:シーチング(生成り・無地)
キルト芯:キルト芯(アイロン接着なし/ふんわり厚手タイプ)
キルティング生地で作る鍋敷きの作り方
おまけで鍋敷きも。キルティング生地化したら周りをバイアステープでくるむタイプ。
スクエア線のキルティング模様にするなら、チェック柄ならそのまま縫い線のガイド線代わりにもなるのではっ!と思って、こちらの柄デザインを採用!
裏布:シーチング(生成り・無地)
キルト芯:キルト芯(アイロン接着なし/ふんわり厚手タイプ)
キルティング生地で手軽に作れる、お鍋敷きを作りましょう。
キルティング生地の作り方は、ストライプ・斜め線のタイプと同じです。オモテ地・キルト芯・ウラ地の順に重ねて縫いましょう。
柄に合わせて縫っていくだけで、ほぼ等間隔になりました。これはラクチン!
ここまでくればあとは繰り返し…
好きな大きさにカットします。今回は角丸のスクエアサイズにしました。20×20cmぐらい。
両バイアステープでぐるりと周囲をくるみながらループも作って、完成!
テーブルの上に好きな布、好きな柄があるのって、なんだかとても豊かな気持ちになれますね♪
バイアステープでくるむのは面倒に思えますが、コツをつかむと実はとても楽ですよ。バイアステープは市販のでも構いません。または自作しても◎
初心者向けのキルティングのタイプ(模様)はどれ?
基本のストライプ・斜め線・格子状と、3つのキルティングの模様をご紹介しましたが、どれが一番簡単なのでしょう。
簡単さで言うと、おそらく初心者さん向けの柄はストライプ柄なのでは、と思います。縫い進める方向も、縦方向のみなので、もしキルト芯がずれてきても軌道修正が効かせやすいです。
とはいえ、模様はデザインでもあるので、好みで決めても大丈夫。とにかく、ゆっくりと、大きな縫い目で進めるのがコツです。そして厚紙で押さえる!これですね。
キルティング生地の洗濯について
気になるお洗濯方法ですが、基本的には普通に洗濯していただいて問題はありません。ただし、わたが多めのキルト芯は両面のコットン布よりも乾きずらいため、自然乾燥でキルト芯が完全に乾くまで自然乾燥で風を通してあげるのがベストです。
また、コットン布と伸縮率も違う場合、乾いたときにシルエットが崩れる原因にもなります。心配な方は製作の前に、水通しをしておきましょう。
他にもあるよ!
キルティング生地を使った布小物のソーイングレシピまとめ
柔らかく、扱いがしやすいキルティング生地は、様々な布小物のハンドメイドにぴったりですよ。いろいろ作ってみてくださいね。
当店で買えるキルティング生地
といっても、やっぱり「作るの大変そう」「作る時間がない~」という方。 そんなときはnunocoto fabricオリジナルのキルティング生地がおすすめです!
薄手で縫いやすく使い勝手の良いnunocoto fabricオリジナルキルティング生地(生成り)とふかふかのコットンリネンタイプと 2種類のご用意がありますよ。
nunocoto fabricで購入できるおすすめキルティング生地 2種
【番外編】日本でも大人気!韓国発ヌビキルト(イブルキルト)
キルティングといえばそう、今、ハンドメイド界隈で大人気のヌビキルト(イブルキルト)についても少し。
韓国伝統のキルティング生地ヌビキルトは、ひと目でそれと分かるようなくすみがかったカラーと柔らかな風合いが特徴の生地です。
マシュマロのようにふんわりとした質感は、そのままベッドカバーやベビーマットにしても気持ちいい!
適度な厚み(薄さ)で生地素材としても使いやすいので、バッグやルームシューズ、ポーチなどの小物に向いています。
自分で作るキルティング生地のまとめ
素材自体を自由に作れるって楽しい作業ですよね!布とキルト芯だけで作れるキルティング生地。
作りたいものを決めてからキルティング生地化をするでもいいし、まずキルティング生地にしてみてじっくりとそのふかふかさを楽しむのも素敵ですよね。
ぜひ、お気に入りの生地で、自分だけのキルティング生地を作ってみませんか。