フリースってどんな生地?生地の特徴を解説
柔らかくて、軽くて、暖かい。いまや秋冬の定番素材となった「フリース」。今回は、普段使いはもちろん、旅行やアウトドアにも重宝するフリースの特徴と魅力をご紹介していきます。
フリースとは?
フリースの特徴
-特徴1:保温性に優れている
-特徴2:軽い
-特徴3:速乾性に優れている
-特徴4:肌触りが柔らかい
-特徴5:自宅で洗える
フリースの 取り扱い上の注意
仕立てるのに向いているアイテム
フリースのお手入れの仕方
フリースとは?
フリースとは、石油を原料とする「PET(ポリエチレンテレフタラート)」を使用したポリエステルの起毛素材のことをいいます。同じくPETを材料とする、ペットボトルをリサイクルした素材もありますが、価格が高いため、現在流通しているフリースのほとんどは石油から作られたものになります。もともとは、その機能性の高さからアウトドア用品として人気が広まったフリースですが、現在では普段着用の衣類や日用品としても幅広く使われています。また、アクリルを使用した安価なフリースもありますが、アクリルは繊維に機能性を後付する加工が出来ないため、強度・保温性・撥水性などあらゆる面でポリエステルの方が優れた素材になっています。
フリースの特徴
先ほどお伝えした通り、ポリエステルは加工により様々な機能性を後付けすることが可能です。そのため、アウトドア用の本格的なフリースには機能性が異なる素材がたくさんあります。ただ今回は、一般的に売られているフリースが持つ基本的な特徴だけをご紹介します。
特徴1:保温性に優れている
フリースの一番の特徴は、保温性の高さです。起毛素材は繊維と繊維の間に空気の層ができるため、体から出る熱を逃さず、外からの冷たい空気も遮断してくれます。そのため、毛足の長いフリースの方がより保温性に優れています。
特徴2:軽い
フリースに使われるポリエステルは、強度があり軽いのが特徴です。衣類として着用している時のストレスが少なく、旅行での持ち運びが便利なのも魅力のひとつです。
特徴3:速乾性に優れている
フリースは通気性に優れているため、水分を吸ってもすぐに乾いてくれます。洗濯後の乾燥はもちろん、汗の発散も早いので、春・秋はアウター、冬はインナーとして重宝する素材です。
特徴4:肌触りが柔らかい
合成繊維の起毛素材はウールなどの天然繊維と比べて、とても滑らかで柔らかな肌触りが魅力です。そのため、肌が弱い方も安心して使うことができます。
特徴5:自宅で洗える
フリースは水に強く、速乾性にも優れているため、洗濯機で洗うことができます。また、シワにもなりにくい素材なので、基本的にアイロンがけが不要なのも気軽に使えるポイントです。
フリースの取り扱い上の注意
フリースを扱う上で注意する点としては「火」と「毛玉」の2つがあげられます。まずひとつめの「火」ですが、フリースは火花などの小さな火でもすぐに燃えて穴があいてしまいます。最悪の場合、火が衣類などの移り一気に燃えてしまう可能性もあるので、料理中の着用や、ストーブ・タバコなどを近づけないなどの注意が必要です。つぎに「毛玉」ですが、もともとフリースは摩擦に弱い素材のため、毛玉を完全に防ぐことはできません。ただし毛玉になりにくい洗い方はあるので、長く大切に使いたいアイテムは、日頃のケアを気にする必要があります。またブラシや毛玉取り機は、ものによっては生地にダメージを与えてしまう可能性があるので注意しましょう。
仕立てるのに向いているアイテム
フリースは通気性に優れているため、実は夏用衣料としても使われている素材です。ただ、フリースの機能性を最大限に活かせるのはやはり寒い時期ですので、今回は秋冬に使えるおすすめアイテムをご紹介します。
ブランケット
室内でフリースを使ったおすすめアイテムといえば、やはりブランケットです。大きいサイズであれば毛布として、小さいサイズであればひざ掛けにしても良いです。また、毛足が長いフリースを選べば、より柔らかく保温性も高まるので、寒がりの方にはおすすめです。
ポンチョ・カーディガン
子供用のポンチョは室内外で使えて、ソーイング初心者でも作りやすいアイテムです。カーディガンは少し難しくなりますが、素材にボアフリースを使えば、シンプルなデザインでも可愛く作ることが出来ます。
スカート
ズボンが多くなってしまう寒い時期の子供服には、保温性と伸縮性に優れたフリーススカートがおすすめです。暖かさを重視するなら両面起毛、防風性・軽さを重視するなら片面起毛の生地を選ぶと良いでしょう。
手ぶくろ
肌触りが柔らかく、気軽に洗えるフリースは手ぶくろにもぴったりです。オシャレにするならボアフリースがおすすめですが、子供は物をつかむ力が弱いので、使いやすさと汚れの落としやすさで選ぶなら、毛足の短いフリースが便利です。
フリースのお手入れの仕方
ポリエステルで作られているフリースは、基本的に自宅で洗うことができます。ただし、長持ちさせるためにはいくつか注意する点があります。
まずは洗剤ですが、フリース特有のふんわりとした質感を保つためには、中性洗剤がもっとも適しています。また、柔軟剤を入れると静電気の発生を防いでくれるので、適量の使用がおすすめです。入れすぎると、逆に生地がゴワゴワしてしまうので注意しましょう。
次に洗い方ですが、フリースは摩擦に弱く毛玉になりやすいため、洗濯ネットは必ず使用するようにしましょう。また、ネットに入れる際は、畳んでから入れるとより摩擦を減らす事ができるのでおすすめです。洗濯コースは摩擦の少ない「ドライコース」で洗うようにしましょう。
最後に乾燥方法です。フリースは速乾性に優れているので、風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。乾燥機は縮みや変形の原因となるため、使用することはできません。アイロンを使用する際は、必ず霧吹きをして湿らした後に当て布をして、低温であてるようにしましょう。
フリースは、機能性が高く、天然素材に比べると値段も手頃な素材です。なによりも気軽に使えて、気軽に洗える便利さが魅力なので、ぜひ秋冬のアイテム作りの参考にしてみてください。