バッグ作りにおすすめの生地
入園入学グッズでバッグを作り、バッグって実は簡単に作れるのかもしれない、と思った方は多いのではないでしょうか。
そうなんです。バッグは簡単に作ることができるんです。
大切なのは、用途や形状に合わせて生地を選ぶことと、力がかかる持ち手の付け根部分をしっかりと補強してあげること。
今回は、バッグに合う生地を紹介します。
ぜひバッグ作りにお役立てくださいね。
目次
・バッグの種類
1.トートバッグ/ショルダーバッグ
2.レッスンバッグ
3.サコッシュ・ポシェット
4.ハンドバッグ・クラッチバッグ
5.巾着型ショルダーバッグ・バケツ型バッグ
6.エコバッグ
7.巾着袋・あづま袋
8.ポーチ
・生地の種類 索引
1.トートバッグ/ショルダーバッグ
(使用生地:ツギハギ(グレー) )トートバッグとは、持ち手が2本で重いものを入れられる、頑丈な台形型のバッグです。
もともとはL.L.Beanが氷運搬用に作った「ボート・アンド・トート・バッグ」が発祥です。
ユニセックスなデザインでたくさんの荷物が入るので、誰にでも使いやすいバッグです。
ショルダーバッグは肩にかけるバッグですが、たくさんの荷物を入れられるものが多いです。
(トートバッグ/ショルダーバッグに向いている生地)
帆布(キャンパス地)
縫いやすさ:★★★☆☆
●帆布(キャンパス地)とは
布とは、太い糸で高密度に織られた厚手の平織り布の事をいいます。とにかく丈夫で、通気性・吸湿性にも優れた生地です。
帆布は糸のよりあわせ本数と織り密度によって特徴が変わり、「1号〜11号帆布」の11種類に分けられています。数字が小さくなるほど糸のよりあわせ本数が増えていき、生地も厚くて硬いものになっていきます。7号より厚い生地は家庭用ミシンで縫うのが難しいことが多いです。
家庭で縫えてトートバッグやショルダーバッグに向いているのは8号~11号です。厚地用の針と糸で縫います。
☆帆布(キャンパス地)についてもっと詳しく知りたい方は、『帆布(キャンバス)ってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
帆布(キャンパス地)はnunocoto fabricでも販売している素材です。 nunocoto fabricのキャンバス生地は、ほどよく厚手で縫いやすい11号帆布に相当するもので、素材は天然素材の100%コットン。
デニム
縫いやすさ:★★★☆☆
●デニムとは
デニムとは、インディゴ染料で染めたタテ糸と、染色をしていない白い糸のヨコ糸を使用した肉厚の綾織り生地です。
トートバッグやショルダーバッグに使うのは、硬めでしっかりとした質感を持つ右綾織りのデニムがおすすめです。
厚地用の針と糸で縫います。
デニム生地の厚さはオンス(OZ)という「重さ」で区分されており、オンス数が大きいほど生地が厚くなっていきます。13オンスより厚い生地は家庭用ミシンで縫うのが難しいことが多いです。
家庭で縫えてトートバッグに向いており、購入しやすいのは10~13オンスです。厚地用の針と糸で縫います。
☆デニムについてもっと詳しく知りたい方は、『デニムってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
ラミネート地
縫いやすさ:★★☆☆☆
●ラミネート地とは
ラミネートとは、主に綿・麻の織り物の表面に「ラミネート加工」を施した生地のことをいいます。
このラミネート加工とは、生地面に別素材の膜を貼り合わせる加工のことで、布地のものには「ポリ塩化ビニル(PVC)」を使う場合が多いです。
防水性に優れているため、雨の日でも安心で、汚れがつきにくいのも特徴です。
ラミネート地は生地面がビニールのため、通常のミシン押さえ金だと生地のすべりが悪く、縫い目が詰まったり曲がったりしてしまいます。押さえ金をテフロン素材のものに代えるか、生地の上にハトロン紙(型紙)を敷いて縫いましょう。
☆ラミネート地についてもっと詳しく知りたい方は、『ラミネートってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
ナイロンオックス
縫いやすさ:★★★☆☆
●ナイロンオックスとは
ナイロン製の平織りの生地で、張りがあります。
撥水性があり、ナイロンの生地の中でも厚めで丈夫なので、トートバッグやショルダーバッグに向いています。
コーデュロイ
縫いやすさ:★★☆☆☆
●コーデュロイとは
コーデュロイとは、綿を横ビロード織りしたパイル織物の一つで、パイルを切って毛羽立たせた畝(うね)が縦方向に走る生地です。
◎nunocoto fabricでは、トートバッグの無料型紙を公開しています。
2.レッスンバッグ
(使用生地:tiny apple )バッグ作りの登竜門、レッスンバッグ。
レッスンバッグからお裁縫をはじめた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マチがなくてぺたんこのレッスンバッグは書類を入れやすいので、外形や生地を工夫すると大人でも使いやすいバッグです。
(レッスンバッグに向いている生地)
1枚仕立てのレッスンバッグを作る場合、トートバッグでも紹介した帆布(キャンパス地)・デニム・ナイロンオックスの他、キルティングが向いています。
キルティング
縫いやすさ:★★★☆☆
●キルティングとは
キルティングは2枚の生地をステッチで押さえて作られた生地で、さまざまな角度から負荷がかかっても破れにくいのが特徴です。
また中綿を入れて厚みを出すことでより耐久性が上がり、一枚の織り生地よりも断然へたりにくく長持ちします。
しかも軽いので、子どもが持つレッスンバッグに最適です。
☆キルティングについてもっと詳しく知りたい方は、『キルティングってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
2枚仕立てのレッスンバッグを作る場合は、以下の生地が向いています。
オックス
縫いやすさ:★★★★★
●オックスとは
オックスフォードとも言われる、コットン100%の平織りの生地です。比較的厚地で、手芸初心者にも縫いやすい生地です。
丈夫で通気性のある生地で、シャツに最適です。
一般的によく出回っている生地なので、どの手芸店でも品揃えが豊富です。 オックス生地はnunocoto fabricでも販売している素材です。 nunocoto fabricでは、オックス生地の中では細めの糸でできた、強さとしなやかさの両方を併せ持つ生地を使っています。
☆オックスについてもっと詳しく知りたい方は、『使いやすさNo.1!100%コットン(オックス)生地の特徴と魅力』をご覧ください。
オックス生地はnunocoto fabricでも販売している素材です。
nunocoto fabricでは、オックス生地の中では細めの糸でできた、強さとしなやかさの両方を併せ持つ生地を取り扱っています。
ブロード
縫いやすさ:★★★★★
●ブロードとは
コットン100%の生地の中でも、適度な厚みがあり、手芸初心者にも縫いやすい平織りの生地です。
さらっとしていて光沢があり、高級感があるので、上品なブラウスに向いています。
こちらも一般的によく出回っている生地なので、どの手芸店でも品揃えが豊富です。
☆ブロードについてもっと詳しく知りたい方は、『ブロードってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
ダンガリー
縫いやすさ:★★★★☆
●ダンガリーとは
ダンガリーとは、タテ糸に白糸(さらし糸)、ヨコ糸に色糸を使って粗めの糸で織ってあり、ざっくりとした風合いです。
もともとは綾織で薄手のデニムのような生地なのですが、最近では平織りも多く、厚めのシャンブレーのような生地でもあります。
シャンブレーやデニムとは、さらし糸を使う向きが逆になっています。
コットン100%のものが多いのですが、リネン100%やリネン混の生地もあります。
平織りリネン
縫いやすさ:★★★☆☆
●平織りリネンとは
平織りリネンとは、リネン(亜麻)の糸で織られた平織りの生地です。
リネンの持つ風合いやシャリ感と丈夫さがパンツに向いています。
☆リネンについてもっと詳しく知りたい方は、『麻(リネン)ってどんな生地?生地の特徴を解説』をご覧ください。
◎nunocoto fabricでは、レッスンバッグの無料型紙を公開しています。
3.サコッシュ・ポシェット
(使用生地:IRO MUJI )ヒョイと肩にかけてサッと持ち歩けるコンパクトなサコッシュやポシェットは、キャッシュレスが進んで、持ち物がどんどん小さくなっていく現代には欠かせないバッグです。
ショルダーバッグよりも小さめサイズのものから、スマホとハンカチ・ティッシュが入ればよい、ものまでありますが、実は、ハギレで簡単に作れるアイテムなんです。
(サコッシュ・ポシェットに向いている生地)
バッグの定番布である帆布(キャンパス地)・ナイロンオックスの他、レッスンバッグに向いている生地で挙げたオックス・ブロード、平織りリネンが向いています。
それ以外にも、以下の生地がサコッシュ・ポシェットに向いています。
チノクロス
縫いやすさ:★★★★☆
●チノクロスとは
チノクロスとは、主に綿の太い単糸で編まれた、厚手で丈夫な綾織りの生地です。
軍用服の生地として使われていたので、茶色やベージュ、カーキ色のものが多いです。
チノパンに代表されるように、現在ではパンツによく使われます。
ウエザークロス
縫いやすさ:★★☆☆☆
●ウエザークロスとは
ウエザークロスとは、非常に目の詰まった平織りの生地です。
軍服用に開発された生地で、防水加工やコーティングがほどこされており、とても軽くて丈夫です。
とてもはりがある生地で、コットンにポリエステルなどの化学繊維が混じっているものがほとんどです。
ナイロンタフタ・ポリエステルタフタ
縫いやすさ:★★★☆☆
●ナイロンタフタ・ポリエステルタフタとは
ナイロンやポリエステルの糸で平織りされた生地です。
薄く、なめらかな手触りが特徴で、撥水加工された商品が多いです。
伸縮性はないのですが、表面がすべすべしている分、布帛よりも縫いづらい生地です。
◎nunocoto fabricでは、サコッシュ・ポシェットの無料型紙を公開しています。
4.ハンドバッグ・クラッチバッグ
(使用生地:flakes )ちょっとハレの日のお出かけに持ちたいハンドバッグやクラッチバッグ。
ハンドバッグはトートバッグやレッスンバッグと明確な違いがあるわけでなはないのですが、トートバッグよりもフォーマルで、底マチのあるバッグをイメージしていただければと思います。
クラッチバッグとは、持ち手のついていない小型のハンドバッグのことです。
(ハンドバッグ・クラッチバッグに向いている生地)
どちらもかっちりとして光沢のある生地が向いているので、ナイロンオックス・ウエザークロスが向いている他、カジュアルに仕立てるのであれば、オックスやブロードに接着芯を貼って使うのも良いでしょう。
でも、やはりハンドバッグ・クラッチバッグに向いているのは合成皮革(フェイクレザー)です。
合成皮革(フェイクレザー)
縫いやすさ:★★☆☆☆
●合成皮革(フェイクレザー)とは
天然の布地に合成樹脂を縫って、天然皮革に似せたものです。
合成樹脂には、防水性に優れて汚れをふき取りやすいなど機能性が高くてメンテナンスしやすいポリ塩化ビニールや、より本革に近い風合いのポリウレタン樹脂があります。
天然皮革のように使い込むほど味が出る、とはなりませんが、機能性が高く軽いため、デイリーなバッグに向いています。
合成皮革は通常のミシン押さえ金だと生地のすべりが悪く、縫い目が詰まったり曲がったりしてしまいます。押さえ金をテフロン素材のものに代えるか、生地の上にハトロン紙(型紙)を敷いて縫いましょう。
◎nunocoto fabricでは、ハンドバッグ・クラッチバッグの無料型紙を公開しています。
5.巾着型ショルダーバッグ・バケツ型バッグ
(使用生地:ekubo )コロンとしたかわいらしいフォルムの巾着型ショルダーバッグやバケツ型バッグは、たくさんの荷物を入れられるので、お買い物やお出かけにも重宝するバッグです。
(巾着型ショルダーバッグ・バケツ型バッグに向いている生地)
巾着バッグやバケツバッグは立体的な感じが出た方が良いので、帆布(キャンパス地)・ナイロンオックス・ウエザークロス・合成皮革(フェイクレザー)などが向いています。
また、ころんとしたかたちを生かすのに、フェイクファー(エコファー)やボアも向いています。
フェイクファー(エコファー)
縫いやすさ:★☆☆☆☆
●フェイクファー(エコファー)とは
フェイクファーとは合成繊維などで織られたパイル織物の一種で、本物の毛皮(リアルファー)に似せたものです。
以前は偽物のファーとうことで「フェイクファー」と呼ばれていましたが、最近では、本物の毛皮を使わず環境にやさしいということで、「エコファー」と呼ばれるようにもなりました。
また、リアルファーは家庭で洗濯することができませんが、フェイクファー(エコファー)は、デリケート衣類用中性洗剤やシャンプー&リンスで洗濯可能なものが多いです。
ボア
縫いやすさ:★☆☆☆☆
●ボアとは
ボアとは、ポリエステル、アクリルなどで編まれたパイル編物の生地で、もこもことしているのが特徴です。
羊の毛に似せたシープボア、犬のプードルに似せたプードルボアなどがあります。編み地(ニット地)なので、伸縮性があるため、バッグに仕立てる場合は裏地が必要です。
デリケート衣類用中性洗剤で洗濯可能なものが多いですが、必ずネットに入れましょう。
◎nunocoto fabricでは、巾着型ショルダーバッグの無料型紙を公開しています。
6.エコバッグ
(使用生地:IRO MUJIシリーズ )レジ袋が有料になり、大容量だけれどコンパクトにたためるエコバッグは必需品になりましたね。
バッグにたたんで入れ、いつも持ち歩いている方も多いと思います。
(エコバッグに向いている生地)
バッグにたたんで持ち歩くので、薄手で丈夫な生地が向いています。オックス・ブロード・平織りリネン・ ナイロンタフタ・ポリエステルタフタの他、以下の生地が向いています。
ローン
縫いやすさ:★★★★☆
●ローンとは
細い糸をやや粗く平織りした薄くて柔らかい生地で、軽い着心地です。
しなやかさと艶、さらさらとした肌触りがあります。リバティ社のタナローンで有名な生地です。
綿ローンだけでなく、麻のローンや綿麻のローンもあります。
生地が薄いため、薄地用の針や糸を使って縫うと仕上がりが美しいです。
タイプライター
縫いやすさ:★★★★★
●タイプライターとは
タイプライターとは、繊維が長く細い綿糸を、高密度で織った、平織りの生地です。
高密度なので、とても目が詰まっていて丈夫であり、独特のハリがあります。
エコバッグとしてだけでなく、カジュアルバッグとしても使えます。
◎nunocoto fabricでは、エコバッグの無料型紙を公開しています。
7.巾着袋・あづま袋
(使用生地:グラデーションブルー )
袋口をひもでキュッと絞り、ポーチのようにも、手提げバッグのようにも使える巾着袋。
風呂敷のような、バッグのような、持つと三角のかたちになる袋、あづま袋。
どちらも昔から日本で使われてきた袋で、普段使いにも、和装にも合います。
(巾着袋・あづま袋に向いている生地)
口を結んだり絞ったりして使うので、薄手で丈夫な生地が向いています。オックス・ブロード・平織りリネン・ ローン・タイプライターの他、以下のような生地が向いています。
しじら織り(サッカー)
縫いやすさ:★★★★☆
●しじら織り(サッカー)とは
収縮率が違う糸を経糸の何本かおきに使って織ることで、布面に凹凸があらわれた生地です。
和柄の生地で作れば和装によく合います。
シャンブレー
縫いやすさ:★★★★★
●シャンブレーとは
シャンブレーとは、タテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸(さらし糸)を使用した平織りした生地で、ナチュラルな風合いです。
薄手で柔らかい仕上がりですが、丈夫で通気性が良いです。
コットン100%のものが多いのですが、リネン100%やリネン混の生地もあります。
◎nunocoto fabricでは、巾着袋の無料型紙を公開しています。
◎nunocoto fabricでは、あづま袋の無料型紙を公開しています。
8.ポーチ
バッグではないのですが、小物をしまっておくのにかかせないポーチ類。
ファスナーを使って開閉するタイプが基本です。
(ポーチに向いている生地)
ポーチは、中に何を入れるかによって向いている生地が違いますが、1枚で仕立てる場合は、帆布(キャンパス地)・ナイロンオックス・ラミネート地・などの、張りのある生地が向いています。
2枚仕立てにする場合は、オックス・ブロード・平織りリネン・ナイロンタフタ・ポリエステルタフタ・タイプライターが向いています。
◎nunocoto fabricでは、ポーチをはじめとする小物入れの無料型紙をたくさん公開しています。
今回はアイテムごとに生地の種類を紹介しましたが、しっかりしたバッグは裏地をつければどんな布を表地に使っても良いですし、作りたいアイテムに合わせて生地を選んで、ご自分のイメージに合ったオンリーワンのバッグ作りを楽しんでくださいね。
生地の種類 索引
- 帆布(キャンパス地)
- デニム
- ラミネート地
- ナイロンオックス
- コーデュロイ
- キルティング
- オックス
- ブロード
- ダンガリー
- 平織りリネン
- チノクロス
- ウエザークロス
- ナイロンタフタ・ポリエステルタフタ
- 合成皮革(フェイクレザー)
- フェイクファー(エコファー)
- ボア
- ローン
- タイプライター
- しじら織り(サッカー)
- シャンブレー