シャンブレーってどんな生地?生地の特徴を解説
深みのある色合いと、軽い着心地が魅力の「シャンブレー」。春夏の衣料品を中心に人気のシャンブレーですが、風合いが似ているデニムとの違いを知らない方も多いかと思います。そこで今回は、シャンブレーの特徴と魅力をご紹介していきます。
シャンブレーとは?
シャンブレーとは、「タテ糸に色糸・ヨコ糸に白糸(もしくはタテ糸とは別の色糸)」を使った平織り生地のことをいいます。シャンブレーの歴史は古く、フランス北部にある「カンブレー」という町が発祥の地といわれています。そして、町の名前がそのまま生地の語源になっています。カンブレーでは、おもに聖職者の衣類などに使われていたシャンブレーですが、20世紀初めにアメリカのミリタリー・ワークウェアとして使われ始めたことをきっかけに、世界中へ広がっていきました。素材はコットンが使われることが多く、他にもリネンを使ったリネンシャンブレーや、コットン×リネンの混紡生地もあります。また、シャンブレーといえばブルーの生地が定番ですが、タテ糸の色は何色でも良いので、現在ではさまざまな色糸を使ったシャンブレーが作られています。
シャンブレーの特徴
もともと、ミリタリー・ワークといった過酷な現場で使われていたシャンブレーですが、その特徴は現在の生地にも引き継がれています。また、今回はシャンブレーの特徴と合わせて、デニムとの違いについてもご紹介していきます。
特徴1:霜降り状のムラがある
シャンブレーの特徴といえば、なんといっても霜降り状のムラです。染物には生地を織ってから染める「後染め」と、染めた糸を使って織りあげる「先染め」がありますが、シャンブレーは、染めた糸と染めていない糸を組み合わせた「先染め」生地の一種です。そのため、生地面に奥行きのある風合いがあるのがシャンブレーの大きな魅力です。
特徴2:軽くて丈夫
シャンブレーは、平織り生地なので、薄地で軽いのが特徴です。また、薄地の割には丈夫で通気性にも優れているため、春夏の衣料品にとても重宝します。
特徴3:光沢があり上品な風合い
シャンブレーは、色糸と白糸を使って織られているので、光の当たり方によって見え方が変わる「玉虫色」のような光沢感があります。そのため、デニムにはない適度な上品さがあり、セミフォーマルなコーディネートにも使うことができます。
特徴4:色落ちが目立ちにくい
シャンブレーは、タテ糸とヨコ糸が均一に織られた平織り生地なので、生地面の色落ちが目立ちにくいのも特徴です。また、シャンブレーのほとんどは自宅で洗濯することが可能なので、扱いやすく、そして長く愛用することができます。
シャンブレーとデニムの違い
・シャンブレー ・デニム ・ダンガリーデニムもシャンブレーと同じように、「タテ糸に色糸・ヨコ糸に白糸」を使いますが、織り方が平織りではなく、綾織りになります。そのため、厚地でしっかりとしたデニムに比べて、シャンブレーは薄地で軽いのが特徴です。またもうひとつ、風合いがよく似ている「ダンガリー」という生地があります。こちらは、デニムと同じ綾織りですが、「タテ糸に白糸・ヨコ糸に色糸」を使って織られるので、シャンブレー・デニムとは糸の配置が逆になっています。
シャンブレーの取り扱い上の注意
シャンブレーは、シンプルな平織り生地なので、比較的扱いやすいのが特徴です。ただし、インディゴ糸を使ったシャンブレーを洗濯する際には、色落ち・色移りに注意する必要があります。また、素材によって扱い方が変わるので、手入れする際にはかならず、品質表記を確認するようにしましょう。
仕立てるのに向いているアイテム
見た目にも風合いがあり、軽くて着やすいシャンブレーは、春夏の衣料品にぴったりの生地です。ただ、衣料品以外にもおすすめのソーイングアイテムがあるので、今回はそれらも合わせてご紹介していきます。
シャツ・ブラウス
「シャンブレー=シャツ」というくらい、定番のアイテムです。軽くて通気性があり、丈夫で手入れも簡単なので、大人用はもちろん子供用にもぜひおすすめです。また、小さな男の子であれば、結婚式などの正装にも使うことが出来るのも、おすすめポイントです。
ワンピース
シャツと同じく、ワンピースにもシャンブレーはぴったりの生地です。とくに、リネンシャンブレーを使ったワンピースは、暑い夏でも涼しく使えて、デニムには無い上品な風合いがあるので、大人の女性におすすめしたいアイテムのひとつです。
帽子
通気性に優れたシャンブレーは、夏用の帽子にもよく使われています。子供用であれば、日よけになるハットタイプが使いやすくておすすめです。丈夫さを重視するならコットン、涼しさを重視するならコットン×リネンの生地が良いでしょう。
小物類(ハンカチ、ネクタイ、スタイなど)
普段使う衣料品以外にも、シャンブレーを使ったおすすめアイテムはたくさんあります。丈夫で風合いの変化も楽しめるおしゃれなハンカチ、スタイ、ポーチなどは、ギフトにもぴったりです。ほかにも、正装で使える子供用のネクタイ・蝶ネクタイは、特別なときにだけ使うアイテムなので、ぜひオリジナルで作ってみてはいかがでしょうか。
シャンブレーのお手入れの仕方
シャンブレーは、平織り生地なので、基本的に水洗いすることが可能です。ただし、使用している素材によって扱い方が異なるので、品質表記は必ず確認するようにしましょう。では、洗濯方法についてご説明します。シャンブレーは丈夫な織物なので、品質表記通りであれば、そのまま洗濯機で洗っても問題ありません。ただし、摩擦による生地が傷みや、衣料品ではボタンなどのパーツが破損してしまう可能性があります。どんなに丈夫な生地でも、長く大切に使いたいアイテムであれば、生地を裏返した状態で洗濯ネットに入れて洗うようにしましょう。洗剤は中性洗剤を使用し、漂白剤は色落ちの原因になるので使用しないようにしましょう。最後に乾燥方法ですが、コットン100%の生地であれば、乾燥機を使用することが可能です。外に干す場合は、直射日光による日焼けを防ぐために、日陰の陰干しで乾かすようにしましょう。
シャンブレーはデニムと同じように、風合いの変化を楽しみながら、長く愛用することが出来る生地です。とくに春夏の衣料品や、普段使いできるシンプルな小物におすすめの生地なので、ぜひソーイングにチャレンジしてみてください。