ツイル生地とは?生地の特徴を解説
ジャケットやパンツ、スカートなどの衣類を中心に、幅広い用途で使われている「ツイル生地」。その中でも代表的な生地はデニムで、平織り物と並んで私たちの生活には欠かせない織り物の一つです。そこで今回は、知っていそうで知らない「ツイル生地」の特徴をご紹介していきます。
ツイル生地とは?
まずツイル生地とは、織り物の三原組織の一つである「綾織り」の別名です。つまり「一つの生地の名前」ではなく「織り方の一種」ということになります。
たとえば、コットンを使った生地であればコットンツイル、リネンを使った生地であればリネンツイルと呼ばれ、冬のアウターによく使われるツイードもツイルの一種。
厳密にいえば、タテ糸3本にヨコ糸を1本交差させた「四つ綾(3/1)」をツイル生地と呼ぶのですが、基本的にはツイル=綾織りと覚えておいて問題ありません。
インディゴ糸を使った綾織り物であるデニムを筆頭に、シャツ・ジャケット・ボトムなど衣類を中心にさまざまな用途で使われています。
ツイル生地とオックス生地の違い
縫いやすく、ちょっぴり厚手のイメージがあるツイル生地とオックス生地ですが、オックス生地は、平織、ツイル生地は、綾織りの生地で織り方が違います。平織は、摩擦に強く丈夫、綾織りはシワになりづらいというそれぞれのメリットがあります。
ツイル生地の素材
「ツイル生地」には、綿、ウールなどの天然繊維、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維、キュプラなどの再生繊維など、様々な素材で織られた生地があります。天然繊維の代表的なものに『コットンツイル』があります。一般的に、日本の手芸店や生地屋で「ツイル生地」というと、やや厚さのある綿素材の生地が「ツイル」として販売されていることが多いです。
また、合成繊維の代表的なものに、『ポリエステルツイル』があり、シワになりにくいため、衣装などによく使われます。
一方で、ポリエステル素材は、
- 静電気が起こりやすい
- ゴミや汚れがつきやすい
- ニオイが残りやすい
nunocoto fabricのすべてのデザインからツイル生地がご選択いただけます。
パステルトーンのカラーツイルIRO MUJIシリーズもございます。 ※実際に手触りを試してから購入したい方は、生地見本サンプルがおすすめです。
コットンツイル(白無地)、スタンダードで使いやすい4色を厳選したカラーツイルの取り扱いもございます。
ツイル生地の特徴
ツイル生地のメリット4つ
ツイル生地と並んで、広く使われている織り物といえば「平織り物」です。この平織り物とツイルの違いを知っておくと生地選びがしやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
特徴1:柔らかな肌触り
平織り物との大きな違いは、生地そのものが持つ柔らかさです。またツイル生地は、糸の密度を調節することで「生地の厚さ」を自由に変えることができます。分厚い生地でも柔らかさは損なわれないので、ジャケットなどのしっかりとしたアウターでも着やすいのが特徴です。
特徴2:伸縮性に優れている
一本の糸を交互に交差させる平織りと違い、ツイル生地は複数のタテ糸にヨコ糸を交差させて織られているため、生地自体に伸縮性があります。そのため、ポリウレタンなどのストレッチ素材を混紡しなくても、強度を保ったまま着心地のいいアイテムを作ることができます。
特徴3:シワになりにくい
平織りに比べて、シワになりにくいのもツイル生地の大きな特徴です。また糸の細さ・密度を高くすると、よりシワになりにくく、しなやかなで滑らかな風合いになります。 特に、素材がポリエステルのポリエステルツイルは、よりシワになりにくく、衣装用生地として重宝されています。
特徴4:光沢感がある
ツイル生地は糸が交差する点が少ないため、生地面に適度な光沢感があります。そのため、カジュアルなアイテムから、ジャケットなどの上品なアイテムまで、幅広く使用することができます。
ツイル生地のデメリット
摩擦に弱い
先ほどお伝えした「糸が交差する点が少ないこと」によるデメリットが、摩擦に弱いという点です。わかりやすい例でいうと、デニムなどで膝が破けてしまうのも、摩擦による劣化です。織り物自体の強度が決して低いわけではありませんが、平織りと比べると若干劣ってしまいますので、ソーイングの際は用途に合わせて生地を選ぶようにしましょう。
ツイル生地を縫うときの針と糸
ツイルをミシンで縫う際、よっぽど厚手の生地ではない限りは、下記の普通用でOKです。ちなみに、当店で取り扱う全てのツイル生地は、普通地用で縫えます。
普通地用(針11号/糸60番)ツイル生地の表裏はどう判断する?
綾織りの生地は、斜めの線の向きで判断できます。斜線が左上がりの方が表、右上がりの方が裏であることが一般的で、当店で販売しているコットンツイルもそのようになっています。また、表の方が光沢があり、線がはっきりと出ているのも見分けるときの特徴です。
ツイル生地の取り扱い上の注意
ツイル自体はとても扱いやすく、基本的に注意する点は少ない織り物です。ただし摩擦には弱いため、強くこすったりすると生地が劣化してしまう可能性があります。また使用する素材や生地の厚さによって、強度や取り扱い方法が異なるので注意しましょう。
ツイル生地の用途・使い道
柔らかさと伸縮性に優れているツイル生地は、衣類にぴったりの織り物です。素材・生地の厚さもたくさんあるので、大人服から子供服まで何でも作ることができます。もちろん雑貨にもオススメの織り物なのですが、今回は身に付ける服飾アイテムを中心にご紹介していきます。
エプロン
頻繁に汚れて何度も洗うエプロンは、乾いたらさっと身に着けたいもの。シワになりにくく程よい厚手でしなやかなツイルはエプロンにぴったりです。
当店の取り扱う全てのデザインから柄が選べるエプロンキットでも、ツイル生地を採用しています。
パンツ
定番パンツの代表格!チノパン。その素材は、ツイル生地です。しなやかでしっかりとしたツイルの生地感は、パンツにぴったりの生地なんです。柔らかな肌触りなので、こどもパンツにも。市販のパンツがゴワゴワしてて苦手というお子様には、ぜひやわらかなツイル生地で作ってみてください。
ちなみに、こちらは当店のカラーコットンツイルで作ったパンツ。ハイウエストのギャザー×ワイドフレアが映える、ワークワイドパンツです。
プリント生地で映えるサロペットもステキですよ。
こちらは当店で発売しているカーゴパンツの要素入れたパラシュートパンツキット。アパレル用のポリエステルツイルを採用しています。夏にカジュアルにはけるメンズハーフパンツも、艶感のあるコットンツイル生地ならちょっぴりかちっとした印象になりますよ。
スカート・ワンピース
他の衣類と同様に、さらっと着たいスカート・ワンピースにもツイル生地はぴったりです。特に夏のゆったりとしたアイテムには、麻を使った「リネンツイル」が風合いがあってオススメです。
ジャケット・コート
ツイル生地は厚い生地でもしなやかで着やすいので、トレンチコートをはじめとする春秋のジャケットやコートに重宝する生地です。また適度な光沢感があるので、入園・入学のフォーマルなシーンのジャケット・スーツにもオススメです。
シャツ・ブラウス
シワになりにくく扱いやすいツイル生地は、アイロンがけが面倒なシャツ・ブラウスなどのトップスにぴったりの生地です。カジュアルなアイテムには太番手の糸を使ったざっくりとした生地を、上品でよりシワになりにくいアイテムが良ければ細番手の糸を使ったしなやかな生地が良いでしょう。
バッグ
普段使い用のトートバッグやショルダーバッグ、買い物袋用のエコバッグ、オシャレで子供にも使いやすい巾着バッグなど、バッグ全般なんでもオススメです。またツイル生地は縫製がしやすいので、直線が多いバッグは多少複雑なデザインでも、比較的簡単に作ることができます。
nunocoto fabricのコットンツイル生地で、他にもこんなバッグが作れます!
幼稚園バッグ
ちょっぴりレトロなデザインのこんな幼稚園バッグにもツイル生地がおすすめです。柄×無地のお好きなカラーやデザインの切り替えを楽しんでみてくださいね。
入園・入学アイテム
一般的なバッグのほかに、入園・入学グッズ作りにもツイル生地はおすすめです。ほどよい厚みで強度がありながら、しなやかさがあるため、1枚でもしっかりとした巾着袋、ランチョンマットが作れます。
また、通園バッグや上履き入れには、裏地を付けると強度が増しますし、仕上がりもきれいです。
ツイル生地は、下記のようなすべての入園アイテムを作るのに適した生地です。
- 通園バッグ
- 上履き入れ
- 巾着袋
- お弁当袋
- ランチョンマット
上記の必需品が全て入った入園・入学グッズ手作りキット(6点セット)がおすすめです!
インテリア雑貨
ツイル生地は、カーテン、クッションカバー、テーブルクロスなどのインテリア雑貨にもおすすめです。当店のツイル生地で作ったカーテンは程よく遮光してくれるちょうどよい厚みで、ドレープカーテンにおすすめです。
生地別の遮光加減は、下記ページの「当店で販売しているカーテンにおすすめの生地」よりご確認いただけます。 カーテンの作り方はこちらを参考にしてみてくださいね。
サコッシュ・ポーチなどの布小物
ほどよい厚みのツイル生地は、ポーチをはじめとする小さな布小物にもおすすめ。張りを出したい場合は、接着芯で調整できます。しなやかに仕上げたいなら接着芯なしでも◎帽子・キャップ
ほどよくしなやかでシワになりづらいツイル生地は、帽子やキャップ作りにおすすめです。
当店で販売しているリバーシブルのたためる帽子キットでもツイル生地を採用しています。
刺繍・ワッペンのベース生地
針が刺しやすいツイル生地は、刺繍やワッペンのベース生地としても使われます。
刺繍はコットンツイル、ワッペンはポリエステルツイルが定番です。
ツイル生地で人気のプリント柄
ツイル生地で人気のデザインは、チェック柄と花柄。バッグやパンツなどに仕立ててみてはいかがですか?
ツイル生地の水通しと地直し
ツイル生地を使用してソーイングをする際は、他生地同様、仕上がり後の縮みを防ぐために、最初にかならず水通しをするようにしましょう。綾織りのツイル生地は、横糸が抜けないので、地直しは行わず、生地の歪みを目視で確認程度になります。
ツイル生地のお手入れの仕方
基本的にツイル生地は、洗濯・乾燥機・アイロンを気兼ねなく使用することができます。ただし素材によって扱い方が異なるので、品質表記をしっかり見てから手入れするようにしましょう。また摩擦には弱いので、長持ちさせたいアイテムは、裏返してからネットに入れて洗濯することをオススメします。
nunocoto fabricのすべてのデザインからツイル生地がご選択いただけます。
パステルトーンのカラーツイルIRO MUJIシリーズもございます。 スタンダードで使いやすい4色を厳選したカラーツイル(コットンツイル)の取り扱いもございます。
同じ素材の白無地(コットンツイル)の取り扱いもございます。
ご注文前にどんな質感なのか確かめたいという方には、生地見本サンプルもございます。 当店で取り扱うすべての生地がセットになったサンプルです。
ツイル生地の季節性
お洋服によく使用されるツイル生地ですが、薄さや素材が様々なので、特に向いている季節はありません。
しいて言うなら、ツイル生地に代表されるチノパンやスキニーなどは真夏に穿くには暑いし、冬は安心して穿けますね。