ツイルってどんな生地?生地の特徴を解説


ジャケットやパンツ、スカートなどの衣類を中心に、幅広い用途で使われている「ツイル」。その中でも代表的な生地はデニムで、平織り物と並んで私たちの生活には欠かせない織り物の一つです。そこで今回は、知っていそうで知らない「ツイル」の特徴をご紹介していきます。
※nunocoto fabricのすべてのデザインからツイル生地がご選択いただけます。パステルトーンのカラーツイルIRO MUJIシリーズもございます。


ツイルとは?
ツイル生地の素材
ツイルの特徴
-特徴1:柔らかな肌触り
-特徴2:伸縮性に優れている
-特徴3:シワになりにくい
-特徴4:光沢感がある
-特徴5:摩擦に弱い
ツイルの取り扱い上の注意
仕立てるのに向いているアイテム
ツイルのお手入れの仕方
ツイルとは?

まずツイルとは、織り物の三原組織の一つである「綾織り」の別名です。つまり「一つの生地の名前」ではなく「織り方の一種」ということになります。
たとえば、コットンを使った生地であればコットンツイル、リネンを使った生地であればリネンツイルと呼ばれ、冬のアウターによく使われるツイードもツイルの一種。
厳密にいえば、タテ糸3本にヨコ糸を1本交差させた「四つ綾(3/1)」をツイルと呼ぶのですが、基本的にはツイル=綾織りと覚えておいて問題ありません。
インディゴ糸を使った綾織り物であるデニムを筆頭に、シャツ・ジャケット・ボトムなど衣類を中心にさまざまな用途で使われています。
ツイル生地の素材
「ツイル」には、綿、ウールなどの天然繊維、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維、キュプラなどの再生繊維など、様々な素材で織られた生地があります。天然繊維の代表的なものに『コットンツイル』があります。一般的に、日本の手芸店や生地屋で「ツイル生地」というと、やや厚さのある綿素材の生地が「ツイル」として販売されていることが多いです。
また、合成繊維の代表的なものに、『ポリエステルツイル』があり、シワになりにくいため、衣装などによく使われます。
ツイルの特徴

ツイルと並んで、広く使われている織り物といえば「平織り物」です。この平織り物とツイルの違いを知っておくと生地選びがしやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。
特徴1:柔らかな肌触り
平織り物との大きな違いは、生地そのものが持つ柔らかさです。またツイルは、糸の密度を調節することで「生地の厚さ」を自由に変えることができます。分厚い生地でも柔らかさは損なわれないので、ジャケットなどのしっかりとしたアウターでも着やすいのが特徴です。
特徴2:伸縮性に優れている
一本の糸を交互に交差させる平織りと違い、ツイルは複数のタテ糸にヨコ糸を交差させて織られているため、生地自体に伸縮性があります。そのため、ポリウレタンなどのストレッチ素材を混紡しなくても、強度を保ったまま着心地のいいアイテムを作ることができます。
特徴3:シワになりにくい
平織りに比べて、シワになりにくいのもツイルの大きな特徴です。また糸の細さ・密度を高くすると、よりシワになりにくく、しなやかなで滑らかな風合いになります。 特に、素材がポリエステルのポリエステルツイルは、よりシワになりにくく、衣装用生地として重宝されています。
特徴4:光沢感がある
ツイルは糸が交差する点が少ないため、生地面に適度な光沢感があります。そのため、カジュアルなアイテムから、ジャケットなどの上品なアイテムまで、幅広く使用することができます。
特徴5:摩擦に弱い
先ほどお伝えした「糸が交差する点が少ないこと」によるデメリットが、摩擦に弱いという点です。わかりやすい例でいうと、デニムなどで膝が破けてしまうのも、摩擦による劣化です。織り物自体の強度が決して低いわけではありませんが、平織りと比べると若干劣ってしまいますので、ソーイングの際は用途に合わせて生地を選ぶようにしましょう。
ツイルの取り扱い上の注意
ツイル自体はとても扱いやすく、基本的に注意する点は少ない織り物です。ただし摩擦には弱いため、強くこすったりすると生地が劣化してしまう可能性があります。また使用する素材や生地の厚さによって、強度や取り扱い方法が異なるので注意しましょう。
仕立てるのに向いているアイテム
柔らかさと伸縮性に優れているツイルは、衣類にぴったりの織り物です。素材・生地の厚さもたくさんあるので、大人服から子供服まで何でも作ることができます。もちろん雑貨にもオススメの織り物なのですが、今回は身に付ける服飾アイテムを中心にご紹介していきます。
ジャケット・コート
ツイルは厚い生地でもしなやかで着やすいので、春秋のジャケットやコートに重宝する生地です。また適度な光沢感があるので、入園・入学のセミカジュアルなジャケットにもオススメです。
シャツ・ブラウス
シワになりにくく扱いやすいツイルは、アイロンがけが面倒なシャツ・ブラウスにぴったりの生地です。カジュアルなアイテムには太番手の糸を使ったざっくりとした生地を、上品でよりシワになりにくいアイテムが良ければ細番手の糸を使ったしなやかな生地が良いでしょう。
スカート・ワンピース

他の衣類と同様に、さらっと着たいスカート・ワンピースにもツイルはぴったりです。特に夏のゆったりとしたアイテムには、麻を使った「リネンツイル」が風合いがあってオススメです。
パンツ
しなやかでしっかりとした生地感は、パンツにもおすすめです。柔らかな肌触りなので、こどもパンツにも。市販のパンツがゴワゴワしてて苦手というお子様には、ぜひやわらかなツイル生地で作ってみてください。





バッグ

普段使い用のトートバッグやショルダーバッグ、買い物袋用のエコバッグ、オシャレで子供にも使いやすい巾着バッグなど、バッグ全般なんでもオススメです。またツイルは縫製がしやすいので、直線が多いバッグは多少複雑なデザインでも、比較的簡単に作ることができます。
エコバッグの作り方は下記を参考にしてくださいね。
nunocoto fabricのコットンツイル生地で、他にもこんなバッグが作れます!




幼稚園バッグ

柄×無地のお好きなカラーやデザインの切り替えを楽しんでみてくださいね。

入園・入学アイテム

ほどよい厚みで強度がありながら、しなやかさがあるため、1枚でもしっかりとした巾着袋、ランチョンマットが作れます。
また、通園バッグや上履き入れには、裏地を付けると強度が増しますし、仕上がりもきれいです。
ツイルは、下記のようなすべての入園アイテムを作るのに適した生地です。
・上履き入れ
・巾着袋
・お弁当袋
・ランチョンマット

インテリア雑貨

当店のツイル生地で作ったカーテンは程よく遮光してくれるちょうどよい厚みで、ドレープカーテンにおすすめです。
生地別の遮光加減は、下記ページの「当店で販売しているカーテンにおすすめの生地」よりご確認いただけます。



サコッシュ・ポーチなどの布小物



ツイルのお手入れの仕方
基本的にツイルは、洗濯・乾燥機・アイロンを気兼ねなく使用することができます。ただし素材によって扱い方が異なるので、品質表記をしっかり見てから手入れするようにしましょう。また摩擦には弱いので、長持ちさせたいアイテムは、裏返してからネットに入れて洗濯することをオススメします。
私たちの身近にある生地のほとんどは、今回ご紹介したツイル(綾織り)か平織りのどちらかです。そこから枝分かれした生地がたくさんありますが、まずは基本的な「織り物の特徴」をしっかり踏まえた上で、生地選びに役立ててみてください。
nunocoto fabricのすべてのデザインからツイル生地がご選択いただけます。
パステルトーンのカラーツイルIRO MUJIシリーズもございます。
スタンダードで使いやすい4色を厳選したカラーツイル(コットンツイル)の取り扱いもございます。
同じ素材の白無地(コットンツイル)の取り扱いもございます。
ご注文前にどんな質感なのか確かめたいという方には、生地見本サンプルもございます。
当店で取り扱うすべての生地がセットになったサンプルです。