うしろギャザーのコクーンパンツの作り方【ホームソーイング型紙シリーズNo.51】

こちらは【ホームソーイング型紙シリーズ】No.051_うしろギャザーのコクーンパンツをご購入いただいた方や、検討中の方に向けたページです。
ヒップのあたりに入ったギャザーがユニークで、全体のコクーンシルエットが旬な一着です。
製作には下記の型紙が必要となります。ここでは型紙を使った作り方を詳しく紹介していきます。

※本型紙および作り方を使用して制作した商用利用を目的とした販売、およびコンクール等応募作品として出品することはご遠慮ください。
うしろギャザーのコクーンパンツの仕上がりサイズ
※S/M/L の3サイズ展開です
S | M | L | |
---|---|---|---|
パンツ総丈 | 95cm | 99cm | 104cm |
ウエスト | 56~67cm程度 | 62~75cm程度 | 69~83cm程度 |
ヒップ周り | 142cm | 146cm | 151cm |
股上 | 32cm | 33cm | 35cm |
※平置きで採寸
※ウエストはゴムで調整しましょう
うしろギャザーのコクーンパンツの材料
【布の用尺】S…2.75m M…2.85m L…2.95m(布幅108cm)
型紙 | 【ホームソーイング型紙シリーズ】 No.051_うしろギャザーのコクーンパンツ |
生地 S/M/L | 2.75m/2.85m/2.95m(布幅108cmの場合) |
伸び止めテープ | (12mm幅)40cm |
ウエスト用ゴム S/M/L | (6mm幅)64cm×3本/67cm×3本/71cm×3本 ※目安 |
生地は、リネン、コットンリネン、綿ブロード、綿サテン、綿ポリエステル、タイプライターなど 薄地~普通地が合います。
サンプルで使用した生地
今回は100%コットンの生地を使いました。CHECK&STRIPEさんのオリジナル、「C&S sunny days シリーズ」ギンガムチェックのグリーンです。
綿100の薄手生地にシワ加工が施されている、とても軽やかな生地です。
うしろギャザーのコクーンパンツ 布の裁ち方図
下記の裁ち方図を参考に、布を裁断してくださいね。

裁断のポイント
前パンツ・後ろパンツ・ポケット袋布はそれぞれ必ず左右対称で取るようにします。布目線を合わせてから裁断しましょう。
合印の写し方や、型紙と布の裁断の仕方、型紙を扱うときのポイントなどは、
ホームソーイング型紙シリーズの型紙の使い方(記号の読み方・裁断の仕方)をご確認くださいね。
縫い方のポイント
・ぬいしろは(指定の無い限り)1cmです。切り取った布端から1cm内側を縫います
・縫いはじめと縫いおわりは返し縫いをしましょう
・きれいな仕上げのためには、こまめにアイロンをかけるのがポイントです
うしろギャザーのコクーンパンツの作り方
(製作時間のめやす:2時間30分)
ここからは、うしろギャザーのコクーンパンツの作り方を詳しく解説していきます。下記の手順で縫い進めてみてくださいね。
1.布を裁断する
前パンツ・後ろパンツ・ポケット袋布(上下)は「左右対称」でとります。
生地の(オモテ)と(ウラ)が分かりづらい生地は、裁断するときに「目印」をつけておきましょう。
今回は、オモテ面にマスキングテープを貼って目印としていきます。
左右対称に裁断する方法は左右対称に裁つでご確認くださいね。
合印も忘れずにつけておきましょう。
2.布端の処理をする
前パンツ・後ろパンツ・ヨーク・ポケット布の布端を、ロックミシンまたはジグザグミシンで始末しましょう。
3.ポケットを作る
前パンツのポケット口に伸び止めテープを貼ります。
縫い目に少しかぶるように貼りたいので、布端から7~8mmあけて貼ります。
前パンツと袋布上を中表に重ねて、ぬいしろ1cmで縫います。
袋布を外表にたたみ直して、アイロンで整えましょう。
ポケット口の際にステッチをかけます。
そこへ、袋布下を中表に重ね
布端から1cmと5mmにダブルステッチします。
※パンツ本体は、一緒に縫わないよう気を付けてくださいね。
パンツ本体と袋布2枚、計3枚を一緒に印の位置で仮縫いしておきます。
※この時、完成時に縫い目が出ないよう、布端から5mmに仮縫いしてくださいね。
反対側のポケットも同様に仕上げます。
4.股下と股上を縫う
前パンツと後ろパンツを中表に合わせて、縫い合わせます。
ぬいしろは1.5cmです。
縫えたら、ぬいしろは割っておきましょう。
今、下の写真のような状態です。(片足)
もう一方のパンツも同様に縫います。
次に、股上を縫っていきます。
左右パンツを中表に合わせて、ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
強度を高めるため、同じところを2重に縫いましょう。
ぬいしろは、左パンツ側へ倒しておきます。
5.ギャザーを縫う
後ろパンツの上端にギャザーを入れて、ヨークと縫い合わせていきます。
ここでは、合印を合わせることがポイントになりますので、しっかり確認してくださいね。
ギャザーの入れ方はこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね→【ギャザーをきれいによせる方法】
まずは、ミシンの縫い目を荒くしておきましょう。
布端から5mmと8mmの2本縫います。
ギャザーの粗いミシン目は、返し縫いをしない・糸端を長めに残すことが重要です。
途中で糸が切れた場合は、脇から脇までの縫い目がつながるようやり直します。
後ろパンツとヨークを、中表に合わせます。
それぞれの合印を合わせて、まち針でとめましょう。
こうすることで、ギャザーが均等に入りきれいな仕上がりになりますよ。
荒いミシン目の5mmと8mmの上糸のみを同時にひき、ギャザーを寄せていきます。
脇から中心までをゆっくりとギャザーをよせていき、ヨークと同じ幅になるように整えましょう。
ヨークと後ろパンツの幅が合ったら、糸端を玉止めしておきます。
同じように反対脇から中心まで、ギャザーをよせて全体的にギャザーが均等になるように調整しましょう。
ここで、ミシンの縫い目を通常に戻します。
後ろパンツとヨークを、ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
ぬいしろのみにアイロンをかけて、ギャザーをつぶし固定します。
スカート本体のギャザーにアイロンすると、ふんわり感がなくなりますので気を付けてくださいね。
ギャザー用の粗いミシン目をほどきます。
本縫いの縫い目がほどけないようにし、ほどけないときは無理に引っ張らず荒い縫い目を残しても大丈夫です。
ぬいしろはロックミシンまたはジグザグミシンで始末し、ヨーク側へ倒します。
ぬいしろに押さえのステッチをかけましょう。
これでギャザーが完成です。
6.脇を縫う
パンツ本体をたたみなおし、前パンツと後ろパンツを中表に合わせます。
脇をぬいしろ1.5cmで縫い合わせましょう。
ぬいしろは、アイロンで割っておきます。
7.ウエストを仕上げる
ウエスト布を中表に半分に折り、布端をぬいしろ1cmで縫い合わせます。
ゴム通し口は縫わずにあけておいてくださいね。
(この縫い目が、後ろ中心になります)
ぬいしろを割り、ゴム通し口にぐるりとステッチを入れます。
ウエスト布とパンツ本体を中表に合わせて、ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
前中心、後ろ中心をしっかりと合わせましょう。
※ウエスト布の後ろ中心は、ゴム通し口がない方の布端を縫い合わせます。
ぬいしろは、ウエスト布側へ倒しておきましょう。
ウエスト布の布端を、1cm折ります。
縫い合わせた縫い目をかくすように、ウエスト布を半分に折ります。
オモテからまち針でしっかりと留めて、パンツ本体の表側からウエスト布の際にステッチをかけます。
内側の布端を縫い落さないように、ゆっくりと進めましょう。
ウエスト布に、1.5cm幅でステッチを2本ぐるりと入れます。
ゴム通し口からゴムを3本通します。
ゴム端は、2cmほど重ねて縫いとめましょう。
8.裾を仕上げる
裾を1cm→1.5cmの三つ折りでアイロンをかけ、縫い合わせます。
9.完成
うしろギャザーのコクーンパンツが完成しました。 ※Mサイズ
モデル身長:163cm(Mサイズ着用)
別の生地でも作りました。APUHOUSE FABRICさんの、洗いをかけた100%リネン(60番手)です。
上質なリネン生地特有のシボ感と柔らかな風合いが、後ろ身頃の細かいギャザーの再現に一役買ってくれています。
モデル身長:163cm(Mサイズ着用)
生地によって、違った表情を見せてくれるコクーンパンツです。ぜひ、作ってみてくださいね。