ハイライズテーパードパンツの作り方【ホームソーイング型紙シリーズNo.54】

こちらは【ホームソーイング型紙シリーズ】No.054_ハイライズテーパードパンツをご購入いただいた方や、検討中の方に向けたページです。
お腹をすっぽりと包み込んでくれる、安心のハイライズ(ハイウエスト)パンツです。さりげなく体型カバーもしてくれます。S・M・Lの3サイズ展開。
後ろポケットは玉縁仕上げですっきり。市販品のような仕上がりに。
モデル身長:160cm
製作には下記の型紙が必要となります。ここでは型紙を使った作り方を詳しく紹介していきます。

※本型紙および作り方を使用して制作した商用利用を目的とした販売、およびコンクール等応募作品として出品することはご遠慮ください。
ハイライズテーパードパンツの仕上がりサイズ
※S/M/L の3サイズ展開です
S | M | L | |
---|---|---|---|
パンツ総丈 | 98cm | 102cm | 107cm |
ウエスト | 56~67cm程度 | 62~75cm程度 | 69~83cm程度 |
ヒップ周り | 103cm | 107cm | 111cm |
股上 | 34cm | 35cm | 36cm |
※平置きで採寸
※ウエストはゴムで調整しましょう
No.054_ハイライズテーパードパンツの材料
【布の用尺】S…2.1m M…2.2m L…2.3m(布幅108cm)
型紙 | 【ホームソーイング型紙シリーズ】No.054_ハイライズテーパードパンツ |
生地 S/M/L | 2.1m/2.2m/2.3m(布幅110cmの場合) |
ウエスト用ゴム S/M/L | (6mm~9mm幅)61cm×3本/64cm×3本/67cm×3本 ※目安 |
生地は、チノクロス、綿ツイル、リネンツイル、デニム、ウールギャバジン、ウールツイルなどの中厚地の生地が合います。多少張り感がある方がシルエットがキープできます。また、綿麻ポリエステルなどの冷感素材も、柔らかさが出ておすすめです。
サンプルで使用した生地
ハイライズテーパードパンツ 布の裁ち方図
下記の裁ち方図を参考に、布を裁断してくださいね。

裁断のポイント
前パンツ・後ろパンツ・前立て・ポケット袋布はそれぞれ必ず左右対称で取るようにします。布目を合わせてから裁断しましょう。
合印の写し方や、型紙と布の裁断の仕方、型紙を扱うときのポイントなどは、
ホームソーイング型紙シリーズの型紙の使い方(記号の読み方・裁断の仕方)をご確認くださいね。
縫い方のポイント
・ぬいしろは(指定の無い限り)1cmです。切り取った布端から1cm内側を縫います
・縫いはじめと縫いおわりは返し縫いをしましょう
・きれいな仕上げのためには、こまめにアイロンをかけるのがポイントです。
ハイライズテーパードパンツの作り方
(製作時間のめやす:3時間半)
ここからは、ハイライズテーパードパンツの作り方を詳しく解説していきます。下記の手順で縫い進めてみてくださいね。
1.布を裁断する
今回は、フラワーガーデン(チャコールグレー)のツイルを使います。
前パンツ・後ろパンツ・前立て・ポケット袋布は「左右対称」でとります。
左右対称に裁断する方法は左右対称に裁つでご確認くださいね。
合印も忘れずにつけておきましょう。
ポケット袋布は、型紙をオモテで取った方が【B】、ウラで取った方が【A】です。
印を付けておくと分かりやすいですよ。
2.布端の処理をする
まず、口布の上端に接着芯を貼ります。
前パンツ・後ろパンツ・口布・向布・前立ての布端を、ロックミシンまたはジグザグミシンで始末しましょう。
3.ポケットを作る
今回は、玉縁(たまぶち)ポケットを作っていきます。
ポケットは、右後ろに1つだけ付けるパターンです。
まずは、右後ろパンツにポケット袋布Aを外表に重ね、しつけ糸で仮留めしていきます。
この時、それぞれのポケット口位置を合わせるように重ねます。
後ろパンツ(オモテ)が上になるようにひっくり返したら、下図のように口布と向布を縫いつけていきます。
型紙のポケット口位置が、玉縁ポケットの仕上がり線になります。
それでは、生地で進めます。
まず口布を、後ろパンツのポケット口位置の上端に合わせて、中表に置きます。
口布の上端から1cmで縫い合わせましょう。
口布のぬいしろを避けて、向布を縫いつけていきます。
ポケット口位置の上端から5mm出るように向布を置き、下の写真の位置にステッチをかけます。
口布と向布を縫いつけたら、2枚の布の間に切り込みを入れていきます。
切り込みを入れるのは、パンツ本体とポケット袋布の2枚です。
口布と向布のぬいしろにも、同様に切り込みを入れましょう。
まずは、リッパーで穴をあけます。
そこからハサミで丁寧に切り込みをいれましょう。
ここで、切り込み端にできた三角部分を、パンツ本体のウラ側へアイロンで倒しておきましょう。
口布と向布を裏へ引き出し、アイロンで整えていきます。
この時、口布を折り返して玉縁を作ります。
向布の接ぎ目に、玉縁の上端が突き当たるように口布を折り返しましょう。
表側から見ると、下の写真のようになっています。
オモテからもアイロンで整え、玉縁の下の際にステッチを入れましょう。
※向布を一緒に縫い込まないよう、避けてくださいね。
動画でも解説していますので、合わせてご覧ください。
後ろパンツ(ウラ)が上になるようにひっくり返したら、向布を下へ倒し
そこへ、ポケット袋布Bを重ね、まち針でとめます。
そのまま、ひっくり返します。
後ろパンツとポケット袋布Aだけをめくり、三角部分の印の位置を2~3回重ねて縫います。
動画でも解説していますので、合わせてご覧くださいね。
裏側から見ると、下の写真のようになっています。
ここで、最初のしつけ糸を取りましょう。
向布と袋布B、口布と袋布A、それぞれをぬいしろ5mmで縫い合わせます。
オモテから、玉縁の上の際にステッチを入れましょう。
玉縁の両脇にもステッチを入れます。
ウラに返し、袋布を2枚一緒に布端から1cmと5mmにダブルステッチします。
※パンツ本体は、一緒に縫わないよう気を付けてくださいね。
ぬいしろに、ロックミシン、またはジグザグミシンをかけましょう。
これで、ポケットが完成です!おつかれさまでした。さあ、また本体に戻りましょう。
4.股下と脇、股上を縫う
まず、裾を1.5cm→2.5cmの三つ折りにしアイロンで折り目をつけます。
まだ縫いません。
左右それぞれの前パンツと前立てを中表に合わせ、ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
ぬいしろは、前立て側に倒しておきましょう。
前パンツと後ろパンツを中表に合わせて、股下と脇を縫い合わせます。
ぬいしろは1.5cmです。
縫えたら、ぬいしろは割っておきましょう。
もう一方のパンツも同様に縫います。
次に、股上を縫っていきます。
片足だけオモテに返し、もう一方に入れ込み、左右パンツを中表に重ねます。
ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
強度を高めるため、同じところを2重に縫いましょう。
左右パンツの縫い目を合わせてくださいね。
縫えたら片足を引き出し、ぬいしろは左パンツ側へ倒しておきます。
前立てをアイロンで整えましょう。
今、こんな状態になっています。
前立て同士を合わせるように、整えます。
ウラから、前立てにステッチを入れていきます。
まち針をこまめに打ちましょう。
ステッチをかける場所によって、ぬいしろ幅が違うので注意してくださいね。
5.ウエストを仕上げる
ウエスト布を中表に半分に折り、布端をぬいしろ1cmで縫い合わせます。
ゴム通し口は縫わずにあけておいてくださいね。
(この縫い目が、後ろ中心になります)
ぬいしろを割り、ゴム通し口にぐるりとステッチを入れます。
ウエスト布とパンツ本体を中表に合わせて、ぬいしろ1cmで縫い合わせます。
前中心、後ろ中心をしっかりと合わせましょう。
※この時、ウエスト布の後ろ中心は、ゴム通し口がない方の布端を縫い合わせます。
ぬいしろは、ウエスト布側へ倒しておきましょう。
ウエスト布の布端を、1cm折ります。
縫い合わせた縫い目をかくすように、ウエスト布を半分に折ります。
パンツ本体のオモテからまち針で留めます。
ウラ側はきちんとベルト端を押さえていることを確認しましょう。
パンツ本体のオモテから、ウエストベルトの端1mmくらいでステッチをかけ、ウエストベルトを縫い押さえます。
内側の布端を縫い落さないように、ゆっくりと進めましょう。
ウエスト布に、それぞれ1.5cm幅になるようステッチを2本ぐるりと入れます。
6.裾を仕上げ、ウエストにゴムを通す
裾の三つ折りを折り直し、ぐるりと縫います。
ウエストにゴムを通し、ゴム端を2cmほど重ねてしっかりと縫いとめましょう。
7.完成
ハイライズテーパードパンツが完成しました。
後ろポケットもこのように。きれいな仕上がりです。
カジュアルさの中にもすっきりとした印象を感じるパターンです。(モデル身長:154cm/Mサイズ着用)
ストレッチ性のあるホワイトデニム生地(綿95%ポリウレタン5%)で作りました。
無地だと印象ががらりと変わりますね。(モデル身長:163cm/Mサイズ着用)
ウエストゴムでハイライズという、ストレスフリーなパンツが作れます。 何にでも合わせやすいパンツです。ぜひ作ってみてくださいね。S・M・Lの3サイズ展開です。
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◎【ホームソーイング型紙シリーズ】No.054_ハイライズテーパードパンツ型紙 ※S・M・Lの3サイズ