【無料型紙あり(大人用・子ども用)】シームポケットの作り方・つけ方
表面から見えないように、脇部分に切り込みを入れて裏側に袋をつけたシームポケット。今回は、そんなシームポケットの作り方を紹介します。 大人用(Lサイズ)と子ども用(Sサイズ)の無料型紙を用意しています。 シームポケットをつけるのって、上級者テクニックというイメージを持っていませんか?でも、実はけっこう簡単に作れちゃうんです。ポケットがない既製品につけることもできますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
シームポケットとは
切り込みを入れて裏側に袋布をつけた『セットインポケット』の一種で、脇の縫い目を利用し、脇を縫う時に一緒に作ります。ポケットを目立たせたくない時に向いています。
セットインポケットの種類は、シームポケットの他に、ウエスト部分から斜めに切り込みを入れたサイドポケット、切り込み部分にバイアス布を使って玉縁で仕上げた玉縁ポケット、箱形に作る箱ポケットなどがあります。これらにファスナーやフラップをつけることも多いです。
シームポケットにも種類があります。
➀洋服本体とポケットの袋布が一体化しているタイプ
➁洋服本体とポケットの袋布が切り替えてあるタイプ
➂1枚の袋布を裏面から直接縫い付けたタイプ
今回は、➁の洋服本体とポケットの袋布が切り替えてあるタイプの作り方・つけ方を紹介します。
このタイプのシームポケットは、ポケットのない型紙の洋服を作る時だけでなく、既製品の洋服の脇を一部分ほどいて後付けすることもできます。
ぜひ作り方をマスターしてくださいね。
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シームポケット(2サイズ)の原寸型紙(1枚)
※クリックするとA4サイズの型紙が見られます。印刷する際は100%で出力してください
Lサイズが大人用・Sサイズが子ども用を目安としてください。 (写真はLサイズ。スマホもすっぽり入るサイズです。)
目次に戻る▶▶シームポケットの材料
■各パーツ
※2.伸び止めテープがない場合は、布接着芯を細く切って代用してください。
シームポケットの作り方(つけ方)
1.前準備
使いたいサイズのシームポケットの型紙をプリントし、向こう布カット線に合わせて切り取ったら、向こう布を2枚(左右反転で1枚ずつ)カットします。向こう布をカットしたら、型紙を手前布カット線に合わせて折り、その型紙で手前布を左右反転で2枚(左右反転で1枚ずつ)カットします。
ポケットをつけたい洋服本体のパーツ、もしくは既製品を用意します。
【point➀】裏地がある洋服の場合、ポケットは表布につけます。
【point➁】シームポケットは脇を縫う時に一緒に縫うため、前と後ろのパーツが分かれている洋服につけます。
洋服本体の前布と後ろ布の脇部分の布端は、ロックミシンもしくはジグザグミシンなどで端処理をして、脇を縫う直前までの工程を進めておきます。
既製品の場合は、ポケットをつけたい部分の脇を、リッパーなどでほどきます。ポケット口よりも大きめにほどいておきましょう。
2.ポケット口の布端処理をする
向こう布のポケット口の布端を、ロックミシンもしくはジグザグミシンなど端処理します。
手前布のポケット口の長さに合わせて伸び止めテープをカットします。
手前布のウラ面にアイロンで接着します。
3.手前布を洋服本体に縫い付ける
手前布のポケット口と洋服本体の前布を中表で合わせます。ここでは手前布の上端をウエスト部分から4cmとしていますが、お好みの位置でOKです。
ポケット口部分をぬいしろ5mmで縫いつけます。
【point】洋服本体の脇の仕上がり線より5mm外側の部分を縫います。ここでは洋服本体の脇のぬいしろが1cmなので布端で合わせていますが、ぬいしろ1.5cmの場合は布端から5mm離した部分に重ね、ポケット口より5mmのところを縫います。
4.洋服本体の前布と後ろ布の脇を縫い合わせる
縫いつけた手前布を、パタンと反対側に折り返します。洋服本体の後ろ布を中表で重ねてまち針でとめたら、ポケット口上下端から1cmのところにチャコペンで印をつけます。
手前布を巻き込まないように注意しながら、ポケット口(印~印)を残して洋服本体の前布と後ろ布の脇を縫い合わせます。ウエスト部分のゴム通し口がある場合は、そちらも縫い残すのを忘れないようにしましょう。
手前布を前布側に倒し、アイロンでぬいしろをしっかりと開きます。
前布側のポケット口にコの字でステッチします。縫いはじめと縫い終わりはしっかりと返し縫いをしましょう。
【point】オモテ面から縫った方が仕上がりが美しいですが、難しければウラ面からでも大丈夫です。
5.向こう布を洋服本体に縫い付ける
向こう布を手前布にぴったりと中表で重ねてまち針でとめたら、向こう布のポケット口の端を後ろ布のぬいしろに縫い付けます。縫い付け位置は、洋服本体脇の縫い目から5mm程度のところです。
【point】洋服本体のぬいしろ寸法によっては向こう布と本体後ろ布の端が合わさらないことがありますが、合っていなくても大丈夫です。向こう布を手前布をぴったりと合わせた位置でそのままぬいしろに縫い付けて下さい。
この時に縫い付けるのはぬいしろのみとなります。洋服本体部分を一緒に縫わないように気をつけましょう。
6.向こう布と手前布を縫い合わせる
向こう布と手前布をぬいしろ1cmで縫い合わせます。
1cmのところと5mmくらいのところに、2回縫いましょう。
縫いはじめと縫い終わりの位置は洋服本体脇の縫い目から6~9mmの間です。洋服本体部分を一緒に縫わないように気をつけましょう。
2枚まとめて周囲にロックミシンもしくはジグザグミシンをかけます。
7.シームポケットの完成
これでシームポケット部分の完成です。
洋服を表に返すとこのようになっています。どこにポケット口があるかわかりますか?
チラリ。ここでした!
ウエストや裾の処理などをして、シームポケット付き洋服を完成させましょう。
スマホを入れたり、ハンカチやティッシュを入れたり。ポケットつき洋服は便利ですよね♪
シームポケットに適した生地素材は?
ポケットの手前布によく使われる布は、『スレキ』と呼ばれる、なめらかで光沢のある綾織りもしくは平織り布裏地用の布がメジャーです。
nunocoto fabricの取り扱い生地の中では、コットンリネンビエラやローンが向いているので、コットンリネンビエラやローンで洋服を作る場合は、向こう布と手前布とも洋服と同じ生地で作ってしまってOKです。
シームポケットで使用した生地
・スタイリッシュな幾何学模様で、手作りアイテムがランクアップしてみえる、総柄のデザインのテキスタイル、「chiasma」/デザイナー: kayo aoyama。