ワンピース作りにおすすめの生地(ワンピースの種類ごとに紹介)
洋裁をはじめたら、まず最初に作ってみたいワンピース。
どの生地でどんなワンピースを作ろうかな、とあれこれ想像するのも手作りの楽しさですよね。
ところで、一口でワンピースといってもいろいろな要素があります。
その要素は『デザイン』『シルエット』『着丈』で分類されます。
つまり、ひとつのワンピースは、
デザイン × シルエット × 着丈 × 生地
で成り立っているのです。
これだけの要素を、自分の好みに合わせて組み合わせることができるのは、手作りの醍醐味ですよね。
今回は、全体のデザインの種類ごとに合った生地を紹介していきたいと思います。
シルエットの種類
ワンピースのデザインの話をする前に、シルエットの種類について簡単に説明しますね。シルエットは、主にスカート部分の形が大きく関係しているんです。
・Aライン
アルファベットの「A」の形の、胸下から裾に向かって広がっていく、上品なシルエットです。
・フレア
フレアとは「朝顔」のことで、ぴったりとしたウエスト部分から、朝顔の花ように波打って広がった、女性らしいシルエットです。
・Iライン
アルファベットの「I」の形の、上半身から裾まで直線的な、スタイリッシュなシルエットです。
・タイト
ぴったりとした、身体のラインが出るセクシーなシルエットです。
・サック
サックとは「袋」のことで、袋のような形の、ウエストマークのないゆったりとしたシルエットです。
・テントライン
テントのように上半身から裾に向かって広がっていくシルエットで、Aラインよりも高い位置から広がり、裾の広がりも大きいです。
・コクーン
コクーンとは「繭」のことで、繭のように中央がふくらんでいて、裾はすぼまっているシルエットです。
着丈の種類
着丈もワンピースの大事な要素のひとつです。ワンピースやスカートの丈をざっくりと分けると4種類になります。
・ショート丈
太ももと膝の間の、短めの丈です。
・ミディ丈
いわゆるひざ丈です。ひざが全部隠れるくらいの長さです。
・ミモレ丈
ひざから足首の間の丈です。だいたいふくらはぎくらいの長さです。
・
マキシ(ロング)丈
足首がかくれるくらいの長い丈です。
デザインの種類とおすすめの生地
ワンピースのデザインにはいろいろな種類がありますが、ここで紹介するのは以下の10種類です。
1.スタンダードなノースリーブワンピース
2.キャミソールワンピース
3.オールインワン(ジャンパースカート/サロペットスカート)
4.カシュクールワンピース
5.エンパイアワンピース
6.ギャザーワンピース
7.プリーツワンピース
8.シャツワンピース
9.チュニックワンピース
10.コートワンピース
スタンダードなノースリーブワンピース
(使用生地:rock)ワンピース、というとまず最初に浮かんでくる、上半身が体に沿った形のシンプルなノースリーブワンピースです。
スタンダードな形なので、スカート部分のシルエットは何でも合います。
胸元はラウンドネック、Vネックがあります。
(スタンダードなノースリーブワンピースに向いている生地)
スタンダードなノースリーブワンピースは、布帛であればどんな生地でも合います。以前書いた記事『洋服(大人服)作りにおすすめの生地』の中にある、「ワンピース・スカートにおすすめの生地」に載せた生地であればなんでも合うので、参考にしてみてくださいね。
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キャミソールワンピース
(使用生地:IRO MUJI(ペールイエロー))細い肩紐を肩や首などから吊り下げて着る、キャミソールタイプのワンピースです。
スカート部分のシルエットはAラインやサック、テントラインなど、下半身にボリュームを持たせるデザインが合います。
(キャミソールワンピースに向いている生地)
キャミソールワンピには、伸縮性のある生地が向いています。
●ダンガリー:
カジュアルに着るのに向いています。ショート丈~ミモレ丈が合いますね。
●リネンツイル/リネンサージ:
上質な日常着に向いています。ミモレ丈やマキシ丈にし、下半身にボリュームを持たせると雰囲気よく仕上がります。
●サテン:
フォーマルな服に向いています。
●ベロア:
伸縮性が良いため、胸元をぴたっとさせることができます。
伸縮性のある生地なので、Iラインやタイトなシルエットにするのにも向いています。
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オールインワンワンピース
(使用生地:madomado(ネイビー))オールインワンとは、胸当てとつりひもがついたひとつなぎの服のことで、オールインワンワンピースは、胸当てとつりひもがついたワンピースのことです。
他にも、ジャンパースカートやサロペットスカート(エプロンドレス)などの呼び方がありますが、つりひも部分がまっすぐ腰部分とつながっているタイプがジャンパースカート、つりひもが背中の部分でバッテンにクロスしたものがサロペットスカート(エプロンドレス)となります。
シルエットは、腰の部分でいったん絞って、そのまま裾に広がるAラインか、そのままストンと落ちるIラインが多いです。
(オールインワンワンピースに向いている生地)
ジャンパースカートタイプは硬めのしっかりとした生地が向いています。
●チノクロス:
厚手で丈夫な生地で、立体的に仕上げることができます。
ミモレ丈のAラインやフレアが合いますが、Iラインも素敵です。
●デニム:
ジャンパースカートというと、まずデニムを想像する方も多いのではないでしょうか。
デニムボタンをあしらっても素敵ですね。
●コーデュロイ:
コーデュロイも冬のオールインワンワンピースに最適です。
Iラインのミディ丈、フレアのミモレ丈がおすすめです。
●スウェット(裏毛):
オールインワンはニット地も向いています。
Iラインのマキシ丈で仕上げると大人カジュアルで良いですね。
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カシュクールワンピース
(使用生地:chiasma(モノクロ))カシュクールワンピースとは、胸元が着物のように打ち合わせになっているワンピースです。
ウエスト部分をリボンで結ぶラップスカートのようなタイプのものと、下がスカート状でウエスト部分と切り替えて縫ってあるタイプのものがあります。
袖がついているタイプも多いです。
ミディ丈~マキシ丈のAライン、フレア、Iラインが大人っぽく仕上がります。
(カシュクールワンピースに向いている生地)
カシュクールワンピースは、ドレープがきれいに出る生地が向いています。
●ビエラ:
薄手で起毛しており、柔らかい風合いのビエラはカシュクールに向いています。
コットンとリネンを織り合わせたコットンリネンビエラはnunocoto fabricでも販売している素材です。
●サマーウール:
丈夫でシワになりにくく、ドレープ性もあるサマーウールもカシュクールに向いています。
●ヘリンボーン:
ほどよい厚みと柔らかさ、落ち感のあるヘリンボーンは、七分~長袖にして秋冬のカシュクールに。
●チノクロス:
厚手で丈夫なチノクロスは、ラップスカートタイプにして、腰をリボンで結ぶのも良いですね。
裾が広がるタイプはもちろん、I ラインやタイトなシルエットも合います。
●天竺(てんじく):
カシュクールワンピはニット地も向いています。
Iラインのマキシ丈で仕上げると大人っぽく仕上がります。
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エンパイアワンピース
(使用生地:broccori(グレー×イエロー))エンパイアワンピースとは、胸下とスカート部分で切り替えがあるワンピースです。
スカート部分のシルエットはAラインやフレアのふんわりとしたタイプが多いです。
胸下に切り替えがあるので、妊婦さんにも向いているデザインです。ミモレ丈~マキシ丈がおすすめです。
Vネックのものは、袖がついているタイプが多いです。
(エンパイアワンピースに向いている生地)
エンパイアワンピースは、軽くてふわっと広がる生地が向いています。
●ローン:
とても軽い着心地で、ふわっと着ることができます。春~夏のエンパイアワンピースに向いています。
●楊柳:
生地自体は薄くてシワになりにくく、さらりと着れるので夏に向いています。
●シフォン:
シフォン生地の柔らかさがエンパイアワンピースの女性らしいシルエットによく合います。
フォーマルな場でも使える1枚に仕上がります。
ギャザーワンピース
(使用生地:グラデーションブルー)ギャザーワンピースとは、胸元や腰部分、スカート部分などに布を寄せてギャザーで仕上げたワンピースです。
胸下で切り替えてある場合はギャザーエンパイアワンピースとなります。
また、スカート部分が段状で切り替えられ、その切り替え部分をギャザーで仕上げてあるものをティアードスカート、もしくはティアードワンピースと言います。
ノースリーブ、袖つきともに向いています。
(ギャザーワンピースに向いている生地)
ギャザーワンピースには、柔らかくて薄めの生地が向いています。
●ビエラ:
薄手で柔らかいビエラはギャザーワンピースに向いています。日常着からお出かけ着まで合います。
ミモレ丈~マキシ丈がおすすめです。
●リネンツイル・リネンサージ:
ビエラと同じく、綾織りで柔らかいリネンツイル・リネンサージもギャザーワンピースに仕立てると素敵です。
●ダブルガーゼ:
柔らかくて肌触りの良いダブルガーゼは、夏の日常着としてのワンピースにぴったりです。
あしさばき良いミディ丈~ミモレ丈がおすすめです。
●アムンゼン(梨地織り):
薄くてシワになりにくく、肌に張り付きにくいアムンゼンはギャザーワンピースに向いています。
お出かけ着に。
●クレープデシン:
アムンゼンと同じような特徴を持っている生地です。
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プリーツワンピース
(使用生地:home(ホワイト))プリーツワンピースとは、胸元や腰部分、スカート部分などに布を折ってひだを作って布を寄せるプリーツで仕上げた仕上げたワンピースです。
市販のプリーツワンピースはプリーツ加工されたものを使っていることが多いです。
ギャザーワンピースに似ていますが、プリーツワンピースを手作りする場合は、少し張りのある生地を使う方が上手く仕上がります。
ギャザーもプリーツも、あしらう箇所によっていろいろなデザインを楽しめます。
ノースリーブ、袖つきともに向いています。
(プリーツワンピースに向いている生地)
プリーツワンピースには、張りのあるしっかりとした生地が向いています。
●タイプライター:
目が詰まって張りのあるタイプライターは、プリーツワンピースに向いています。日常着からお出かけ着まで合います。
ミディ丈~ミモレ丈がおすすめです。
●シャンブレー:
ヨコ糸に白糸(さらし糸)を使用したシャンブレーは、大きめのプリーツでカジュアルに仕立てると素敵です。
ショート丈~ミモレ丈がおすすめです。
●平織りリネン:
程よいはりと柔らかさのある平織りリネンはプリーツワンピースにしても素敵です。
上品な光沢があるので、日常着からお出かけ着まで合います。
●ツイード:
冬のプリーツワンワンピースに。
ショート丈やミディ丈がおすすめです。
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シャツワンピース
(使用生地:白い布(無地・コットンリネンビエラ))シャツワンピースとは、シャツが長くなったタイプのワンピースです。
裾までボタンがあるタイプのシャツワンピースだけでなく、衿があるだけのスキッパータイプのものや、ポロシャツタイプのものなどがあります。
基本は袖つきタイプとなります。
シルエットはI ラインとAライン、テントラインがおすすめで、ショート丈~マキシ丈どれでも合います。
(シャツワンピースに向いている生地)
シャツワンピースには、薄手ではりのある生地が向いています。
●ブロード:
さらっとしていて光沢のあるブロードは、ボタンがあるタイプやスキッパータイプのシャツワンピースに向いています。
●オックス:
オックスシャツがあるように、シャツに向いてるオックスは、ボタンのあるシャツワンピースがおすすめです。
●ダンガリー:
ダンガリーのシャツワンピ―スは、オールシーズン使えるカジュアルなシャツワンピースとして、1枚は持っておきたいアイテムです。
●タイプライター:
目が詰まって張りのあるタイプライターは、こなれ感と上質感の両方を出すことができ、日常着からお出かけ着まで合います。
ボタンタイプとスキッパータイプの両方が合います。
●ネル:
こちらもネルシャツがあるように、シャツに向いてるネルは、ボタンのある秋冬のシャツワンピースに最適です。
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チュニックワンピース
(使用生地:アーティチョーク(ブラック))ウエストに絞りがなくTシャツが長くなったような形状で、1枚でも着れるデザインのワンピースです。
シルエットはAラインやIライン、サックが向いています。
丈はショート丈~ミディ丈程度です。
(チュニックワンピースに向いている生地)
カジュアルに着ることが多く、布帛でもニット地でも合います。着心地の良い生地が向いています。
●サッカー(しじら織り):
さらりとした肌触りが、夏のチュニックワンピにぴったりの生地です。
●リップル:
リップルもサッカーと同じような生地で、夏にさらりと着れます。
●ダンボールニット:
しっかりとしたニット地のダンボールニットは、冬のチュニックワンピースに。
お出かけ着としても使えます。
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コートワンピース
(使用生地:leaf(ライトグレー))コートワンピースとは、コートのように羽織って着るタイプのワンピースです。
シャツワンピースとトレンチコートの間くらいのイメージです。
ボタンがあるタイプ・なくて開きっぱなしのタイプ、ベルトがあるタイプ・ないタイプなど様々で、基本は袖つきとなります。
シルエットはIラインかAライン、丈はミディ丈~マキシ丈が多いです。
(コートワンピースに向いている生地)
コートワンピースには、中厚手ではりのある生地が向いています。
●タイプライター:
目が詰まって張りのあるタイプライターは、コートワンピースにも向いています。
春秋に使いやすい生地です。
●シャンブレー:
ヨコ糸に白糸(さらし糸)を使用したシャンブレーも、春秋のコートワンピースに仕立てると素敵です。
ショート丈~ミモレ丈がおすすめです。
●平織りリネン:
程よいはりと柔らかさ、上品な光沢のある平織りリネンのコートワンピ-スが一枚あると、いつでもどこでもサッと使えて便利です。
●ヘリンボーン:
ほどよい厚みのある杉綾織のヘリンボーンは、秋冬のコートワンピースに向いています。
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今回は10種のデザインごとに分けましたが、キャミソールギャザーワンピースやカシュクールコートワンピースなどのように色々なデザインが合わさっているワンピースも多いです。
おすすめの生地はあくまで参考とし、、ドレープ感を出したいのか、ハリがあって立体的な仕立てにしたいのかなど、作りたいもののイメージに合わせて、生地選びと服作りを楽しんでくださいね。
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