服作りに使う主な布の素材の特徴と、織り物・編み物の種類について
布には大きく、「素材の名称」と、「織り方」や「編み方」の名称があります。
ここでは、服におすすめの生地の素材(繊維)と織り物・編み物の種類についてざっくりと説明していきますね。
- 天然繊維
- 化学繊維
- 織り物(布帛)について
- 編み物(ニット)について
服におすすめの生地の素材
服に使われている生地の素材は、大きく分けて「天然繊維」と「化学繊維」があります。
天然繊維
天然繊維には、植物繊維である「コットン(綿)」や「リネン(亜麻)」、動物繊維である「シルク(絹)」や「ウール(毛)」などがあります。
●コットン(綿)
コットンは保温性が良く、吸水性・通気性に優れていて衛生的なので、ベビーの肌着から大人服まで幅広く使われています。
柔らかな肌触りなので日常着や作業着の素材として最も適していると言われていますが、シワになりやすいという点もあります。
また、熱や摩擦に強く、水にぬれると強度が高まるため、自宅で洗濯しやすいのもポイントです。
コットンについての詳しい説明ページはこちら
●リネン(亜麻)
リネンは優れた吸湿・吸水性と撥水性を持ち、夏でもサラッと着ることができます。
また、上品な光沢があることも特徴です。
天然繊維の中で最も強靭な素材と言われており、丈夫で長持ちですが、シワになりやすいです。最初は硬さがあるのですが、使うほどに柔らかく肌になじむ素材です。
リネンも熱・摩擦に強く、水にぬれると強度が高まるため、自宅で洗濯しやすい素材です。
リネンについての詳しい説明ページはこちら
nunocoto fabricでは、コットン100%の布と、コットンリネンの布を販売しています。
nunocoto fabricの生地一覧
●シルク(絹)
シルクは上品な光沢やしなやかな肌触りが特徴で、吸湿性・通気性・保温性にも優れています。
また、軽くて着心地は良いのですが、虫に喰われやすいというデメリットもあります。
水にも摩擦にも弱く、熱にもそこまで強くありません。
なので、基本はクリーニングに出すか、自宅で洗濯する場合は、中性洗剤を使ってぬるま湯でやさしく手洗いします。
●ウール(毛)
ウールは保温性があって冬は暖かくだけでなく、熱伝導率が低く吸湿性があるため、夏でも涼しい素材です。
また、抗菌・消臭機能や伸縮性・弾力性があってシワになりにくいなど、メリットが多い素材でが、虫に喰われやすいなどのデメリットもあります。
汚れには強いのですが、水と熱に弱くて縮んでしまい、摩擦にも弱いです。
なので、基本はクリーニングに出すか、自宅で洗濯する場合は、中性洗剤を使ってやさしく手で押し洗いします。
化学繊維
化学繊維では、木材を再生して作ったテンセルやレーヨンなどの『再生繊維』と、石油を原料としたポリエステルやナイロンなどの『合成繊維』があります。
●テンセル
テンセルはとても柔らかくて伸縮性があり、上品な光沢があります。
保湿性・吸湿性・速乾性もあるので洋服に適した生地です。
摩擦に弱いので、自宅で洗濯するときはネットに入れて中性洗剤で洗います。
●レーヨン
レーヨンはドレープ性に優れており、テンセルと似た性質を持っています。濡れると強度が低くなり、水にも弱くて縮んでしまうので、家庭での洗濯は難しいです。 なので、基本はクリーニングに出しましょう。
●ポリエステル
ポリエステルは丈夫でシワになりにくいのですが、吸湿性や吸水性が低く、肌触りが苦手な方も多いです。摩擦と熱に弱いので、自宅で洗濯するときはネットに入れて水かぬるま湯で洗います。
●ナイロン
ナイロンは丈夫で摩擦に強く、ポリエステルよりもさらに吸湿性や吸水性が低いので、汗は吸いませんが防雨服に最適です。熱には弱いのですが、熱さえ気を付ければ自宅で洗濯しやすい素材です。
●アクリル
吸湿性や吸水性が低いので汗は吸いませんが、速乾性にすぐれています。セーターのような、ふっくらやわらかい風合いをだすことができます。
セーターに比べると洗濯は楽ですが、摩擦や熱に弱いため、自宅で洗濯するときはネットに入れて中性洗剤で洗います。
織り物(布帛)について
生地には織り物と編み物があります。
織り物は布帛(ふはく)とも言い、織り方には三種類あります。
その三種類とは、「平織り」「綾織り(ツイル)」「しゅす織り」です。
●平織り
平織りとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が交互に織ってある生地です。
オックス、ブロード、ガーゼなどが平織りです。
(平織りの長所)通気性が高くて軽く、摩擦に強くて丈夫。
(平織りの短所)密度が小さいため糸間の隙間が大きく、風合いが硬い。
●綾織り
綾織りとは、経糸何本かに対して1本の緯糸を織ることを繰り返すことで斜線が浮かび上がる生地です。
デニム、ダンガリー、ビエラなどが綾織りです。
(綾織りの長所)密度があって風合いが柔らかく、伸縮性があってシワがよりにくい。
(綾織りの短所)平織りに比べて耐久性が低く摩擦に弱い。
●しゅす織り
しゅす織りとは、経糸と緯糸が5本以上で織られている生地で、表面に経糸のみか緯糸のみがあらわれるようにした生地です。
しゅす織りはサテンが代表的です。
(しゅす織りの長所)密度があってとても柔らかく滑らかであり、光沢が強い。
(しゅす織りの短所)摩擦や引っかかりに弱い。
「ジャガード織り」とは、平織り・綾織り・しゅす織りなどの織り方を組み合わせて、凹凸の柄が浮き出るように織られた生地です。
編み物(ニット)について
編み物はニットとも言い、一本の糸でループを作り、そのループに次の糸を引っ掛けて編んでいくことで面にする編地のことです。
伸縮性があり、その分家庭用ミシンでは縫いにくいというデメリットもあります。
編み方は多様で、編み方の名称がそのままニット生地の名称となっているものがほとんどで、服に使われるのは以下のものなどがあります。
●天竺(てんじく)
表はメリアス編み、裏は裏編みのニット地です。カットしたところから端が丸まりやすいのが特徴です。
やや張りがあり、ニット地の中では、伸縮率は低めです。
●フライス
表・裏ともに1目ゴム編みのニット地です。伸縮性と吸水性があります。
天竺より厚みがあります。
●リブ生地(スパンフライス・テレコ)
フライス同様、ゴム編みのニット地で、フライスより伸縮率が高くてよく伸びます。
●スウェット(裏毛)
表はメリアス編み、裏はループ状のパイルの生地。端は丸まりやすいという特徴はありますが、厚みがあるものが多いので、ニット地の中では、初心者さんが縫いやすい生地です。
●鹿の子
表編みと裏編みを組み合わせて、凸凹ができる編み方をした生地。凸凹があるので、涼しい肌触りで通気性も良いです。
●ジャガード編み
ジャガード編み機によって、2色以上の色模様や、無地の地模様を編み込んだ平編みの生地です。
●ダンボールニット
表面糸と裏面糸を中糸でつなぐ2種類の糸で織ったニット地で、段ボールのような構造になっているので保温性が高いです。
●ベロア
パイル編みのパイルをカットして毛羽立ちを表面に出した、独特の光沢があるベルベットのような生地です。
●フリース
ポリエステルの糸で編んだ生地の表面を起毛して、目が見えないくらい密に毛羽立たせた生地です。
起毛しているので保温性があり、軽くて柔らかいです。
●梨地ニット
梨の表面のような、ざらざらした感じの平編みの一種の生地です。
いろいろな素材や織り方、編み方がありましたね。
それぞれの素材や織り方などの特徴を知ったうえで布を選びができると良いですね。