【ハンドメイド暮らし】クリエイターのお仕事ファイル~●▲■(岩渕 加奈代さん)~

ハンドメイドをはじめた人なら一度は夢見る、ハンドメイド作家デビュー。
今では、ハンドメイド作家さん専用の販売サイトも増え、ひと昔前よりも手の届きやすい存在になりました。
そこで、nunocoto fabricでは、実際にヒット作やユニークな作品を生み出し、活躍されているハンドメイド作家さんにお話を伺い、リアルな暮らしを皆さんにお届けすることにしました。
nunocoto fabricで取り扱う布や、型紙を使って作った作品は、販売してよいものばかりです。この連載を通して、もう一歩、ハンドメイド作家デビューを目指す方のお役に立てたらと思います。
第5回目は、
●▲■(まるさんかくしかく)というブランド名で、プラバン細工やレジンのアクセサリーを中心に創作活動をしている岩渕 加奈代さん。
いわゆる、工作の定番である”プラバン”のイメージとは一線を画す、洗練されたデザインで、人気ファッション誌『FADGE』にも掲載されています。
そんな作品を次々と生み出す、岩渕さんのハンドメイドのある暮らしを紹介します。
今では、有名ファッション誌にも作品が取り上げられていますが、岩渕さんがアクセサリー作りをはじめたきっかけはどんなことだったのでしょう?
岩渕さん:「最初は家事育児からのささやかな気分転換です。イヤイヤ期真っ盛りの子供を連れて、散歩中なんとなく立ち寄った本屋で、その時ブームの兆しをみせていたプラ板のレシピ本を見つけて、とてもワクワクした気持ちになったのを覚えています。大変な育児で埋もれてた色んな気持ちがムクッと起き上がった感じ。簡単なマグネットやブローチを作っては人にあげたりして楽しんでました。」
今ではインスタグラムに5,000人近くのフォロワーがいらっしゃって、リピーターのお客さまからの着画なども多数紹介していますよね。固定のファンがついているのが伺えますが、作品を販売しようと思われたきっかけは?
岩渕さん:「趣味で終わらず販売に繋げて社会や人との繋がりを持ちたかったんです。実家も遠く最初の頃は孤独に育児をしていたので…淋しい話ですが(笑)
既にminneやcreemaといったハンドメイドサイトは買い物で利用したことがあり、登録していたので、自然と私もここで販売してみたいなぁと思いました。」
『インスターズ』や『クリーマクラフトパーティ』など、イベントにも参加していらっしゃいますが、どのくらいの頻度で出展されていますか?
岩渕さん:「イベント出展(委託ではなく対面販売の場合)はだんだん回数は減ってきてますが、多い時期で年5~6回。インスターズは毎回感度の高いお客様が多く、とても刺激をもらいます。面白かった企画はminneさんとやらせて頂いたディズニーコラボ、他にもRODYコラボといったキャラクターとのコラボが貴重な経験でとても楽しかったです。」
ハンドメイドサイトのオファーをきっかけに、人気キャラクターとのコラボレーションなどテーマ性のある作品作りも行ってきた岩渕さん。作品のアイディアは、どんなときに思いつくのでしょう?
岩渕さん:「製作の時よく参考にするのは、子供服や生地の色合いや色あわせ、雑誌のエディトリアルなど。アクセサリーの形や色のアイディアとしては、子供とのお絵かきだったり色塗りだったり、生活のふとした所からもらう事があります。素材では一見氷のような涼しげな印象をもつレジンには、パールを組み込んで女性らしさをプラスするのが好きです。」
あのファッショナブルな色使いは、意外にもお子さんとのお絵かきから生まれたりもするんですね!
岩渕さん:「長男が夏休みの宿題で作った工作で「良い色出てる!」って驚いたことがあります。図工の授業で習ったらしいグラデーションが綺麗で作品の参考にしました。」
きれいな色使いですね。そういえばこういうカラフルな点の模様の作品、ありましたよね。
(実際に参考にしてできた作品)
岩渕さんが、今シーズン最も作りたいアイテムは何ですか?
岩渕さん:「夏に向けてレジンを使った涼しげで大振りなデザインピアスを作ろうと考えています。揺れるタイプのものが少なかったので大きく揺れるものを。」
揺れるアクセサリーは、女性をより女性らしく演出してくれるアイテムなんですよね。
岩渕さんデザインの揺れるピアス、男性の視線をくぎ付けにしそうですね。
nunocoto fabricには、現在約500種類のテキスタイルがありますが、お気に入りの柄を教えてください。
岩渕さん:「大槻優美さんデザインの『tensen(ホワイト/レッド)』です。直感でこれだって思いました。春のワクワク感を感じるデザインが好きです。
偶然にもインスターズで何度かご一緒した大槻優美さんのデザインでびっくりしました(笑)間違いないですね。」

なんと!デザイナーさんともイベントでお会いしてたんですね。
作家さん同士のネットワークは、イベントに出ることでどんどん広がって、つながっていくんですね。
子育てをしながらのママ作家活動、1日の過ごし方は?
創作活動は、家事が終わってからの2時間と、子供が寝てから就寝までの3時間。
1日5時間、集中して作家活動を行っているんですね。
現在、10歳、8歳、6歳の育ちざかりの3人の男の子を育てながら作家活動を続けてきた岩渕さん。イベント出展や雑誌掲載のオファーなど、充実した作家活動を送っていますが、ハンドメイド作家になって6年目になる今年、家庭に専念することに決めたのだそうです。
岩渕さん:「実はここにきて育児との兼ね合いに厳しさを感じる事が多くなり、来年から活動を縮小する考えに至りました。一度はキッパリ辞める事も考えていましたが、孤独な製作の反面、イベントを通してもらう刺激と沢山のご縁をずっとずっと大事にしたいので、少しずつでもこれからも活動を続けていきたいと思っています。」
「こんなに活動の幅が広がるなんてもちろん思っていませんでしたし、貴重な経験をたくさんさせて頂いてありがたいです。」と作家活動を振り返ります。
Instagramでは、作品を中心に、整然とスタイリッシュな写真の投稿が並んでいますが、ストーリーでは、イベント会場での作家仲間とのひとこまや、愛犬の写真、日常のうっかりなどをポップに伝えています。そんな親しみやすさも、お客様の心を掴んで離さないヒミツなのかもしれません。
社会とのつながりを持ちたいという理由から作家になった岩渕さん。家庭のことに専念するため、いったん活動を縮小するものの、それでも続ける動機となったのは、作家活動をはじめるきっかけにもなった”人とのつながり”でした。
子供とのお絵かきを作品の題材にしたように、日常のさまざまな出来事をインプットして、再び本格的に活動を再開される日を楽しみにしています。
岩渕さんの作品、ぜひSNSでも覗いてみてください。
【Creator's File】
岩渕 加奈代さん(埼玉県)
Instagram
@mss_kanayo
オンラインストア
https://minne.com/@mss-kanayo