【ハンドメイド暮らし】クリエイターのお仕事ファイル~saoriさん~
ハンドメイドをはじめた人なら一度は夢見る、ハンドメイド作家デビュー。
今では、ハンドメイド作家さん専用の販売サイトも増え、ひと昔前よりも手の届きやすい存在になりました。
そこで、nunocoto fabricでは、実際にヒット作やユニークな作品を生み出し、活躍されているハンドメイド作家さんにお話を伺い、リアルな暮らしを皆さんにお届けすることにしました。
nunocoto fabricで取り扱う布や、型紙を使って作った作品は、販売してよいものばかりです。この連載を通して、もう一歩、ハンドメイド作家デビューを目指す方のお役に立てたらと思います。
第3回目は、
バッグやベビーの服や小物を中心に、複数の店舗で委託販売を行っているsaoriさん。
saoriさんは、ハンドメイド作家である一方で、7歳、5歳、3歳の3人の男の子を育てるママでもあります。
イベントへの出展なども積極的に行う多忙なsaoriさんのハンドメイドのある暮らしを紹介します。
ご主人と3人のお子さんを育てながら多忙な作家活動を送っているsaoriさん。意外にも、ハンドメイドやその販売は、誰もが経験するようなことがきっかけではじまります。
saoriさん:「3年くらい前に、子供たちが通う保育園のバザーで、初めて巾着をミシンで作り、そこからミシンにハマりました。販売は、友達がフリマアプリでハンドメイド作品を販売していて、私も販売してみたいと思い、はじめてみたんです。」
ネットでの販売のみならず、委託先も開拓されているsaoriさん。思い切って人気のお店にお願いしてみたことで、お客様が増えていったんだそうです。
saoriさん:「最初は地元にある、ハンドメイドの雑貨店に、置いてもらいたいとお願いに行きました。とても人気のあるお店でしたので、その後は『○○に置いてる作家さんだよね?』と声をかけて頂けるようになりました。」
最初に委託先においてもらった商品はどんなものだったのでしょう?
saoriさん:「初めて納品した物はスタイでしたが、恥ずかしながら、人生で3枚目に作った物でした(笑)今見ると下手くそだなぁって思います。。
まだ怖いもの知らずで、『置いてもらえたらいいな』くらいの軽い気持ちだったんです。」
勇気を出して、委託先に声をかけたことで、作家としての活動の幅が広がったsaoriさん。
お子さん3人を育てていることもあり、気になるのは家庭との両立ですが、いったいどんな生活を送っているのでしょう?
作家活動のある日は、子供が起きる前の2時間を確保するために4時に起床。そして保育園や学校に送り届けた後はお迎えまでみっちり仕事がつまっています。スキマ時間もフルに活用し、睡眠時間は4時間程度。本当にストイックに仕事をされていますね。
saoriさん:「イベント前は、両立がなかなか出来ないのですが、とにかく主人が助けてくれています。
私の日常は、朝4時に起きて、子供たちを起こす前の2時間、ひたすら裁断。子供たちを、学校と保育園に送り出したあと、ひたすら作業に没頭しています。時間がなくなるイベント前のお昼ご飯はプロテインです(笑)飲みながらの作業。工夫はないですが、ひたすら手を動かします。」
委託先での販売だけではなく、イベント出展も行っているんですね。
予定が重なるピンチの時の乗り越え方がますます気になります。
saoriさん:「今年のG.W.のことですが、2日間続く大きなイベントに向けて、たったの4日間しか、製作時間がない時がありました。前の週にあったイベントで、(商品が)ほぼ完売してしまったためです。
この4日間で、できる限りたくさん作らなくてはいけなくて、ツラい時間になりました。ポーチやバッグ類の接着芯は、全て連休中だった主人にお願いして、私は朝4時から夜の12時まで、休むことなくミシンを動かし続け、睡眠時間は二時間程度、夫婦で乗り切りました。」
旦那様、完全に戦力になっていらっしゃいますね。家庭内の協力だけではなく、本当に忙しい時は、製作のお手伝いもしてくれる、まさに強力なパートナーです。
ストイックで、どんな時でも全力投球。そんなsaoriさんが、多忙な中でもハンドメイドの販売活動を続けられる、モチベーションはいったいどこからくるのでしょう?
saoriさん:「SNSのフォロワーさんに励まして頂いています。
製作中のモチベーションを保つのが、難しい時もあって、イベントの後にはいつも『休みたい』と手が止まりそうになります。そうゆう時は裁断しておいた製作時間の少ない、ポーチやスタイを映画やドラマを見ながらたくさん作ります。その間に時間のかかるバッグやベビー服をどんな風に作りたいか、考えながらモチベーションを上げていく様にしています。」
モチベーションが下がっても手を止めることなくひたすらストイックに製作に臨むsaoriさん。一方で、お仕事のない日の過ごし方は、一変して思いっきりお子さんを遊ばせてあげているんですね。
saoriさん:「家族でのお買い物やお出かけの時間は、私にとってもほっとする時間です。なかなか夫婦で休みが合うことがなく、イベントの多い時期はゆっくり家族が揃うことがないので、普段から子供たちとの時間をもっと作りたいと思っているんです。お休みのときは、いつも主人が行きたい所を決めて子どもたちを楽しませようとしてくれますね。子供たちをお風呂に入れてくれたり、上の2人の子と食後に一緒にゲームをしたりもしてくれます。三男は、私とお人形遊びが定番です。」
イベント前の忙しい時は分刻みで仕事に臨み、オフの日も、家族サービスの予定をしっかり入れているsaoriさん。多忙な日々を送る中で、アイディアはどんな時に思い浮かぶのでしょう?
saoriさん:「生地をじっと見ている時。ショッピングを楽しんでいるとき。
時間に余裕のある時は、カフェのモーニングに行って、ゆっくり雑誌を見ています。その時に作りたいものをノートに書き出します。行きつけのカフェに置いてある雑誌から、影響を受けます。色々な雑誌があるので、勉強になります。」
ほんの少しの自分の時間を情報収集にあてているんですね。
もうひとつ気になるのが、お裁縫道具の整理術なのですが、どのような工夫をされていますか?
saoriさん:「たくさん使うミシンの糸を、100円ショップのワイヤーフックに立てています。布類は全く整理出来ていなくて、雪崩が起きたり、ただ棚に重ねてあるだけなので、私も整理術を勉強したいところです(笑)」
作る作品に比例して、どんどん増える糸を、コスパよく綺麗に見せる方法、ぜひ見習いたいところです。
多忙な中でも、日々作品の新しいアイディアを生み出すsaoriさん。
今シーズン作りたいものは何ですか?
saoriさん:「大きめで、たくさんのポケットがある、便利なバッグです。今は時間に余裕がなく、ポケットを工夫する所まで行きませんが、余裕のある時にはそうゆうバッグを作りたいな、といつも思っています。」
nunocoto fabricには、現在約500種類の柄の布がありますが、お気に入りの柄と、仕立てたいものを教えてください。
saoriさん:「ミモザの花束mini(ホワイト)で、ベビーのワンピースを作りたいと思いました。お揃いの帽子や巾着なども作りたいです。」
ミモザの花束は、いつもランキング上位に入る人気の柄。ベビーのワンピース、ぜひ見てみたいですね。
最後に、ハンドメイドを楽しんでいるユーザーにメッセージをお願いします。
saoriさん:「ハンドメイドはとっても楽しいですが、きっと忙しい時期には製作に追われている方もたくさんいらっしゃると思います。肩こりからの難聴や、目のかすみ、不調がたくさん出てくる縫い物…みなさんがどうやって乗りきっているのか、教えて欲しいです。それでも楽しいハンドメイド!(SNSなどを通して)みなさんと繋がって、みなさんのお話を聞くことが出来たら嬉しいです。」
ピンチの時は夫婦二人三脚で挑むハンドメイドのある暮らし。
簡単にはまねできないようなストイックな創作活動を行っているsaoriさん。
最後まであきらめず、熱心に取り組むその背中を見て、きっとお子さんたちの中にも、やり抜く力が育っていくのかもしれません。
限られた時間の中で、いろんな柄や形のアイテムを次々に生み出す、スーパーママsaoriさんの作品、ぜひSNSでも覗いてみてください。
【Creator's File】
saoriさん(島根県)
Instagram
@saori.made