【連載】庭先から、暮らしの布へ。
夏の終わりにイチジク
熟した実の甘い香りが漂うと、秋の訪れを感じるイチジク。
わが家の庭で育てている1本のイチジクですが、実を育てる難しさと同時に、イチジクの葉の楽しみも教えてくれました。
いただきもののジャムから始まった、わが家のイチジク
数年前、お友達が庭で採れたイチジクで作ってくれたスパイス入りジャムをおすそ分けしてもらいました。
その美味しさに感動し、「自分でも作ってみたい!」と、挿し木を分けてもらったのがわが家のイチジクの始まりです。
ところが、鉢植えで4年、庭に地植えして3年が経っても、元気よく育つのは葉っぱばかり。一向に実がつく気配がありません。

植木屋さんに相談してみると「肥料が多すぎると葉ばかりが茂ってしまう」とのこと。
あまり肥料はあげていなかったものの、すぐ隣にあった家庭菜園の栄養をしっかりと吸収していたようです。
思い切って別の場所に移植したところ、ようやく十数個の実をつけてくれるようになりました。

けれど今度は鳥たちに食べられてしまい、熟した頃には半分以下に減ってしまう始末。
それでも無事に残ってくれた実は、愛おしくかみしめながら大切にいただいています。

花は楽しめなくても、葉を楽しむ
イチジクは漢字で「無花果」と書きます。
花がないように見えますが、実は私たちが食べている実の内側に小さな花がたくさん詰まっている不思議な植物です。
外から花を愛でることはできませんが、そのかわりにわが家では「葉」を大いに活用しています。

摘み取った葉を乾燥させたり生のまま淹れたりする「イチジクの葉茶」は、ココナッツのような甘い香りとほろ苦さがクセになる一杯。
整腸作用やむくみ予防など体にうれしい効果も期待できます。
また、白身魚や鶏肉をイチジクの葉で包んで蒸し焼きにするのもお気に入り。
バナナの葉で包むアジア料理のように、ほんのり甘い香りがお肉に移って、おいしくいただくことができます。
お手入れはなかなか大変!
イチジクは成長がとにかく早く、放っておくとあっという間に枝が生い茂るため、剪定が欠かせません。
剪定や収穫の際に出てくる乳白色の樹液は肌がかぶれやすく、日光性皮膚炎を起こすこともあるため、ついたらすぐに洗い流すよう気をつけています。

カミキリムシの被害や剪定に追われる日々ですが、いつかもっとたくさんの実が成るようになったら、あの日味わった憧れのスパイスジャムを自分で作り、ドライイチジクを焼き込んだ自家製パンを焼くのを楽しみにこれからもイチジクの木のお手入れを頑張ります。

イチジク柄の布たち
ということで、今回は、ほんのり色づく実が色っぽい、イチジクをモチーフにした美しいテキスタイルをご紹介します。
表面のピンクの濃淡が美しく、余計なもののない、潔さがより一層、水彩タッチを魅力的に見せてくれています。
2種類の柄のサイズがあります。

デザイナーが無心で描いたいちじくの形は、後ろ向きでまるくなった猫にもみえる想像力が膨らむデザインです。
カラーは3色揃っています。
瑞々しいいちじくを、布でも楽しんでくださいね。